九仞の功を一簣に虧く

故事成語 故事成語・ことわざ

九仞の功を一簣に虧く

九仞の功を一簣に虧く(きゅうじんのこうをいっきにかく)

古来より、人は自らの教訓を言葉で残し、古人の知恵や経験を「故事成語・ことわざ」として現代に伝えてきました。

その中から、時を超えて、人生に様々な示唆を与えてくれる「故事成語・ことわざ」を独断と偏見で選んでみました。きっとビジネスだけでなく、人生においても参考になるでしょう。

今回選んだのは、

九仞の功を一簣に虧く(きゅうじんのこうをいっきにかく)

という中国の古書「書経」が出典の故事成語です。

「九仞の功を一簣に虧く」とは

「九仞の功を一簣に虧く(きゅうじんのこうをいっきにかく)」とは、
長い間の努力も、ちょっとした油断からだめになってしまうこと」を指します。

ちなみに出典となった「書経」の一節を見てみると、

嗚呼、夙夜勤めざる或るなかれ。細行を矜まざれば、終に大徳を累わす。山を為ること九仞、功一簣に虧く。

となりますが、現代文に訳すなら、

朝早くから夜遅くまで励まないとなりません。些細な行いによって、失敗してしまうこともあります。高い山を築くのに、最後のもっこ一杯分の土を欠いてしまうと完成しないことをお忘れなく。

といった感じになります。ちなみにこの言葉は、古代中国 周の武王が殷の紂王を討って周を建国した時に、各国からの貢ぎ物に喜んだ武王に対し、家臣の召公が諫めて言った言葉です。

私自身も、起業の際、最終段階でちょっとしたミスをしてしまったことで、予定していた人の引き抜きで所属元の会社とトラブルになりかけ、事業計画の練り直しを余儀なくされた苦い思い出があります。まさに「九仞の功を一簣に虧く」結果になってしまったわけですが、それ以来、物事は決定する最後の最後まで細心の注意を払うように心がけています。

 

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