職業柄、中小企業の経営者の方とお話しする機会が多くありますが、年々人手不足を訴える経営者が増えてきました。
以前は、資格を有した人や技術を持った人が中心だったのですが、最近では、事務職・営業職などの人手不足も目立ってきているように思います。
ということで、今回は、人手不足の時代を乗り切る中小企業経営について考えてみたいと思います。
人手不足に対応するには「新たに人手を確保する」または「人手に頼らなくても済むように業務改善を行う」という大きく2つの方向性があります。
まず、「新たに人手を確保する」点ですが、20〜30代の人材に対する需要が圧倒的に高い状態ですので、55歳以上の人材を狙ってみることをお勧めします。上場企業などでも55歳を超えると優秀な人材が有効活用されていない場合が散見されますし、早期退職制度や転身支援制度を活用する人もいますので、20〜30代の人材を探すよりも見つけやすく、良質な人脈を持った人が多いのも特徴です。
次に「人手に頼らない」方法ですが、
- マルチに業務をこなせる人材を育成する
- インターネットを活用して、人手に頼らない仕事を増やす
ことをお勧めします。
中小企業の場合、間接業務を中心に一名を常勤で配置するほどの業務量がないことがあります。こういった場合に2〜3つの業務をこなせるマルチな人材を育成しておくと、人員効率が高い企業運営にすることができます。
次に「人手に頼らない仕事を増やす」ということですが、例えば、インターネット集客を活用することで営業セクションにおける新規顧客獲得の業務を減らすことができます。多くの営業マンを抱えて、テレアポや飛び込み営業をしている会社がありますが、インターネット集客を上手に活用することで「プッシュ型」の営業から「プル型」へと変えることができ、人員効率を高めることが可能です。
これからの時代を考えると、人手が足りないのが当たり前になるでしょう。社員の採用コストや雇用を維持する為のコストは高くなる一方で、既存の採用の仕方や既存の業務をベースに必要人員を弾き出すやり方を続けていけば、いずれ破綻してしまいます。中小企業は、大企業以上に知恵を絞って人手不足に対応しなければなりません。