労働者派遣法の政令26業務とは?

経営豆知識

労働者派遣法の政令26業務とは?

労働派遣法の政令26業務とは

労働者派遣法は、派遣労働者の就職条件の整備や労働現場での権利を確保する目的に定められた法律のことですが、労働者派遣法の政令26業務とは、施行令で定められている「派遣期間制限のないとされていた26種類の業務」のことを言います。

2015年の労働者派遣法の改正で、業務区分での派遣期間制限の有無が撤廃され、現在は「政令26業務」という分類はなくなっています。

以前の労働者派遣法の政令26業務

従来、労働派遣法の施行令で定められている第1号から第26号までの業務(政令26業務:ソフトウェア開発・機械設計・事務用機器操作・秘書・通訳翻訳速記・放送番組における大道具小道具等で専門知識や技術を必要とする業務のこと)に従事する労働者に対しては、実質3年間の派遣期間が認められていました。それ以上働こうとする場合は別の職場に移る等する必要があり、同一の所で3年以上派遣社員として働く事が出来ないようになっていたわけです。

しかし2004年に改正法が施行された事によって、3年間と言う期間の制限が撤廃され、第1号から第26号までの業務で労働者派遣を行う場合は、労働者派遣期間制限を受ける事はなくなり、26業種とそれ以外で業務・業種の区別をして派遣期間を設定することになりました。

2015年労働者派遣法改正の背景と今後

現在施行されている労働派遣法は2015年に改正されたもので、この時に政令26業務が撤廃され、業務によって分類されることがなくなりました。従来の政令26業務と自由派遣業務という区切りはなくなり、全て同様に扱われるようになったのです。

なぜ政令26業務が撤廃されたかというと、既にその該当する業務の多くが他の業務と比べて専門性が高いとは言えないと判断されたからです。また、該当する業務と該当しない業務を分類することが難しい場合も有り、なかなか派遣社員に対しての対応が分かりにくかった、という点も撤廃の理由の一つです。

こうして現在では業務単位の派遣社員の期間制限も撤廃されましたが、代わりに個人単位の期間制限が設けられ、原則派遣先が派遣労働者を受け入れる事ができる期間は3年ということになっています。

そしてさらに、キャリアアップをして正規雇用を目指すなど、派遣期間を設けずに同一の職場で働けるようにする動きが加速している状況です。