社長の国保健康保険料滞納で会社が倒産!?

今回は、社長個人のたった数万円の国民健康保険（国保）の保険料滞納で会社の預金が凍結され倒産の危機に瀕してしまった実際のお話です。

法人には規模を問わず全ての事業所で社会保険への加入義務 があります。

しかし、実際は小規模な法人では保険料負担が重い為、社会保険に加入せず、国民健康保険＋国民年金で済ませている場合もかなり多いのではないでしょうか？

先日、ある経営者の方から緊急のご相談がありました。

お話を聞いてみると…

その会社では「社会保険に加入せず、国民健康保険＋国民年金で済ませて」いましたが、「6ヶ月ほど国民健康保険の保険料の納付をし忘れていた」そうです。
何度か役所から督促がきていたようですが、「まだ数ヶ月なのでと中身を見ず」にいたところ、

ある日突然、メインバンクから

という連絡が入ったそうです。それを見て緊急のご相談、が今回の経緯です。

相談を受けて、まず、即刻、役所に出向いて未納の国民健康保険料を支払ってもらい、社長個人の定期預金への差し押さえ解除を行いました。

その後、メインバンクに連絡を入れてもらい、事情を説明、何とか融資残高の一括請求は回避できたものの、今度は会社の口座凍結の解除に 10日間前後掛かるとのことで資金繰りのチェック、何とか会社の危機を回避することができました。

今回の騒動の原因は、たった数万円の国民健康保険料の未払いにあった訳ですが、さらに、もとをただせば、法人であるにもかかわらず社会保険に加入していないことにあります。

確かに社会保険に加入することによって、コスト増につながりますが、今回のように 個人口座の差し押さえ → 会社口座の凍結 のような事態にはなりません。

社会保険料や税金の未納などが原因で経営者の個人口座が差し押さえられる場合は、経営者自身が連帯保証している会社融資の一括返済を求められても文句が言えない契約になっていることが多いので注意が必要です。