会社の売掛金をなくし全て前払いにした
実は当社では 1年ほど前から売掛金をなくして、代金の支払いを原則前払いへ変えました。
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当社はサイト制作や集客をメインとする IT会社で、お客様のほとんどは中小企業です。一般的に、取引先企業の規模が小さくなればなるほど、資金回収のリスクは高まる と言われていますが、当社の場合も、売掛金が未回収になるケースは非常に少ないものの、支払いが期日を超え大幅に遅延するケースはままありました。
売掛金の入金が遅れると、
- 再請求の手間
- 資金繰り見直しの手間
- サービス停止・復旧の手間
などが発生します。手間が発生するということは、そこにコストが発生するということでもあります。
しかし、そのコストを販売価格に上乗せすることにすると、期日を守ってご入金いただけているほとんどの会社様にも影響してしまいます。
一方で、お客様としては、資金繰りの観点から、できるだけ支払いタームを伸ばしたいところでしょうから、サービスの提供後に支払う後払いのシステムは歓迎といったところかと思います。
後払いのシステムを維持しつつ売掛金回収(代金回収)コストを販売価格に上乗せするのか、そもそも後払いのシステムを止めるのか、悩んだ結果、後払いのシステムを止め、売掛金をなくすことにしました。
具体的には、サービスご契約時(ご発注時)に代金を前払いでお振込頂いてから、着手するようにしたわけです。当時、会社設立から 3年が過ぎたこと、サイト制作や集客案件の経験値が高まり、お客様のご要望に応えられず代金を返却をしなければならない状況がほぼなくなっていましたので、前払い制にしてもお客様へご迷惑をお掛けすることはないという判断でした。
こうして後払いを止めて売掛金をなくしたわけですが、約1年が経ち、色々な効果が出てきました。
- 売掛金にすることでの会社業務(代金回収)の手間をなくなった
- 資金繰りの予測が簡単になり、狂いが少なくなった
という当初予定していた効果が出たのは当たり前ですが、
- お客様の集客を企業体力に合った集客にできる
という意外な「効果」がありました。
集客をする場合、大なり小なりコストが掛かってきますが、お客様は、得てして集客予算ギリギリもしくは予算を上回る集客内容を選びがちです。お客様の懐具合はわかりませんので、集客予算が尽きて初めて「背伸びした集客」であったことがわかるわけです。
しかし、料金を前払いにすることによって、「背伸びした集客」を選ぶことができませんので、自然にお客様の懐具合に応じた集客になるわけです。企業体力に合った集客になれば、自然に集客の成功率も高くなります。
代金の支払いを後払いから前払い制に変えたことで、若干、問い合わせからの成約率が低下していますが、少人数制の「小さな会社」を志向している当社としては、限られた人数で手の届く範囲のお客様へ満足のいく低コストサービスを提供したいと考えていますので、代金を前払いにして売掛金をなくすことで失う部分よりも、得る部分の方が圧倒的に大きいと思っています。
会社規模や売上規模拡大を重視する会社には向かないかもしれませんが、もし売掛金をなくすことができる業態であれば、チャレンジしてみてはいかがでしょうか?