慎独(しんどく)

故事成語 故事成語・ことわざ

慎独(しんどく)

慎独(しんどく)

古来より、人は自らの教訓を言葉で残し、古人の知恵や経験を「故事成語・ことわざ」として現代に伝えてきました。

その中から、時を超えて、人生に様々な示唆を与えてくれる「故事成語・ことわざ」を独断と偏見で選んでみました。きっとビジネスだけでなく、人生においても参考になるでしょう。

今回選んだのは、

「慎独(しんどく)」

という中国の古書「大学」が出典の故事成語です。

「慎独(しんどく)」とは

「慎独」とは、
徳のある人は、一人の時であっても心を正しく持って言動を慎む」という意味です。

ちなみに出典となった「大学」の一節を見てみると、

小人間居して不善を爲し、至らざる所なし。
君子を見て而る後厭然として其の不善を揜ひ、而して其の善を著はす。
人の己を視ること其の肺肝を見るが如く然り。則ち何の益かあらん。
これを中に誠あらば外に形はると謂ふ。
故に君子は必ず其の独りを慎むなり。

となりますが、現代文に訳すなら、

徳のない者は、一人でいるとよくないことを行い、不正をする。そして、徳のある人に対し、自分の悪い行いを隠して良いところを見せようとする。しかし、他人からは心の奥底まで見抜かれてしまい、いくら自分の悪い行いを隠そうとしても、全てわかってしまう。「心の中に誠があれば、それは必ず形となって外に現れる」という通り、徳のある人は、一人きりの時でも心を正しく持って良心に反することをしないように慎むのである。

といった感じになります。

「お天道様が見ている」という言葉がありますが、周囲に人がいても、いなくても、常に自分の正義に照らし合わせ、人にも自分にも恥じない行動をしていきたいものです。

 

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