近頃のメディア報道を見ていると、かなりバイアスを掛けた偏向報道のように感じることが増えてきました。私自身、最近は新聞やテレビの報道を鵜呑みにせず、気になる事件があれば自分で極力調べるようにしています。そこで、今回は「メディアの偏向報道」について考えてみたいと思います。
例として、日本維新の会党大会における松井知事(党代表)の挨拶の一文、忖度(そんたく)について触れた部分を書き起こしてみましたのでご覧いただきましょう。
・・・でも、この(森友学園)問題がなかなかね、下火にならないというか、解決の方向に向かわない。これ何かと言うとね、皮肉にも、これをどんどんメディアの皆さんの視聴率のためにね、この問題をどんどん油を注いでいるのは、皮肉にも僕は安倍総理だと思います。「忖度はない」と強弁し続けるから、それこうなるんです。
僕は政治家というのは、忖度によって選ばれているんですよ。国会議員であり地方議員である、皆さんは有権者の忖度によって、一票いただいてバッジを付けて議席をもらっているわけなんです。この忖度にいい忖度と悪い忖度があるんですよ。要は、忖度というのはおもんばかる、気を使う、相手の立場に立つということですよ。政治家なら当たり前じゃないですか、有権者の立場に立って物を考える。僕は知事ですから大阪府民880万の皆さんの立場に立って物を考えております。有権者の意識を意思を忖度して、今仕事をしております。
ところが、どうも忖度という言葉がすべて悪い、という捉え方をされている。だから安倍総理が忖度は一切ないんだとそう言う。
僕はあれは違うと思います。忖度はあるということをしっかりと認める。認めて、その忖度にもいい忖度とそしてやっちゃいけない忖度があるということをはっきりいうべきだと。やっちゃいけない忖度というのは、法律を犯して一部の人だけがお金をもらったりいい思いをする、この忖度をやっちゃいけません。この忖度は政治家が絶対やっちゃいけない忖度なわけです。でも、一般の皆さんの声を聞いて、その声にそぐう政策をやる、これは政治家としてやるべき忖度であると思います。
今日もメディアの皆さんもいっぱい来ていますけれどね。彼らもやっちゃいけない忖度をしてますよ。
今日の新聞見てたら、まぁ安倍総理の奥さんと籠池さんの(奥さんの)メールがずっと出てましたよ。でも、僕もそのメール全部読んでます。でも、新聞・報道・メディアの皆さん、あのメールの中に民進党から辻元清美の話は言わないでね、と言われたら、その部分だけは新聞・テレビ、そのメールの中から排除して、それを出してるわけです、記事を。
まさに民進党の忖度じゃないですか。これはメディアの皆さんの。
これはおかしい話なんですよ。なのに忖度、忖度と。おかしいじゃないかと。
これで、そのことばかりで 国会が動き、肝心なやるべきこところの仕事ができていない。 これこそが、国民に対して僕は政治の不作為だと。・・・
では、この松井知事挨拶の忖度の話に対し、マスコミがどう報じたかを見てみましょう。
目次
「安倍首相は忖度(そんたく)があったと認めるべき」フジテレビ系
森友学園の問題をめぐり、籠池理事長から猛批判を受けた大阪府の松井一郎知事が25日、安倍首相にある注文をつけた。そのキーワードは、「忖度(そんたく)」。「他人の心中をおしはかること」、「推察」という意味。松井知事は、「安倍首相は、忖度はあったと認めるべきだ」との持論を展開した。
松井知事は「この問題に、どんどん油注いでいるのは、皮肉にも、僕は、安倍総理だと思う。『忖度はない』と強弁をし続けるから、そうなるんです」と述べた。
学校法人「森友学園」の国有地売却問題をめぐり、国側に「忖度」があったかについて、大阪府の松井知事は、「安倍総理が忖度があったと認めないからだ」と主張した。
「忖度」は、24日の参議院予算委員会の審議でも、キーワードに。
安倍首相は「忖度をするので、忖度をするので…。忖度をするのであれば、私の地元の陳情全て通る」と述べた。
野党議員が追及したのは、首相夫人付の職員が、小学校予定地をめぐり、財務省に問い合わせたことが、国有地の大幅な値引きの背景ではないかということだった。
共産・小池 晃書記局長「これは、適正な行政のあり方が、と言えるのか!」
安倍首相「(籠池氏側には)ゼロ回答であり、忖度していないことは明らかであろうと思う」
これに、異論を唱えたのが、籠池理事長に「はしごをはずされた」と猛批判された松井知事。
25日、松井知事は「総理は政治家であり、忖度はある。でも忖度が、これは全て悪い忖度と良い忖度か。森友に関しては『悪い忖度』ではないと、はっきり言われるべきだ」と述べた。
この問題で、忖度が働いていると指摘したうえで、法律に触れるものではなく、安倍首相は、忖度があったと認めるべきだと主張した。
この忖度をめぐっては、先日、籠池氏が外国人記者を前にした会見で、あるやりとりがあった。
籠池理事長「安倍首相は、口利きはされてないでしょ。忖度をしたということでしょ」
通訳「安倍首相は、推測、行間をよんだんだと思います」
弁護士「言葉が足りないようです。忖度というのは、安倍首相ではなく、周りの人が手を加えたということで」
日本人特有の「忖度」は、果たしてあったのか。
そして、その忖度に国民は納得できるのか。
森友問題をめぐる疑惑は、一向に晴れそうにはない。
松井知事「本質説明できないのは安倍総理」日本テレビ系
大阪の森友学園の国有地売買を巡る問題で、大阪府の松井知事は25日、「本質を説明できないのは皮肉にも安倍総理だ」と述べ、これまでの安倍首相の対応を批判した。
松井府知事「この問題の本質をきちっと説明できない、わからなくしているのは、僕は皮肉にも安倍総理だと思う。忖度(そんたく)はないと強弁しすぎているんです。なぜ籠池さんが言う神風が吹いてきたというスムーズに手続きが進んだのかという部分。これはまさに忖度だったというのを認めるのが一番だと思います」
この問題を巡って野党側は、安倍首相側の意向を財務省などが忖度したため森友学園に有利な土地取引になったと追及している。松井府知事は、「国民の思いを忖度して、それを実現していくのは政治家の当然の仕事だ」と強調し、今回は法律に反するような「悪い忖度ではないとはっきり言うべきだ」と強調した。
松井一郎氏 森友学園問題で安倍首相に“アドバイス”「悪い忖度(そんたく)ではないとはっきり言うべき」サンケイスポーツ
日本維新の会代表で大阪府知事の松井一郎氏(53)は25日、森友学園問題について、「問題の本質をわからなくしているのは、皮肉にも安倍晋三首相自身」としたうえで、「忖度(そんたく)にはいい忖度と悪い忖度がある。(安倍首相は)忖度はないと強弁しないで、悪い忖度ではないとはっきり言うべきだ」と“アドバイス”した。
松井氏は同日、東京・平河町のホテルで開かれた党大会に出席。あいさつの際、「国会では政治ショーが行われている。ショーに参加できればまだいいが、参加させてもらえない松井が世の中で一番悪いという形で証人喚問が行われていた」と自虐ネタを披露。
森友学園問題は贈収賄などの事件ではないとの認識を示したうえで、繰り返し早くけりをつけるべきとの考えを強調し、安倍昭恵首相夫人の証人喚問についても「これ以上、何を聞くのか。ただのつるし上げだ」と否定した。
そのうえで問題を長引かせているのは、安倍首相が「忖度はなかった」などと述べていることも影響していると指摘。「世の中には忖度はある。政治家は国民の思いを忖度して政策を進める」などと、「いい忖度」について説明した。
さらに「なぜ森友学園問題が大きく広がっているのか。メディアも視聴率をとれる。世間の注目を集める」とマスコミ批判も展開。
一方で、同学園理事長の籠池泰典氏(64)が松井氏の名前を何度も挙げていることに対し、「(籠池氏は)当たり散らすところが僕しかないんでしょう。政治家というのはそういうものと思う」と“余裕”を見せた。
また、築地市場の豊洲移転問題に関しても言及し、「豊洲市場は完成している。(専門家会議の評価では)安全性も確保できている。都民のためにも早期に移転するべきだ」とした。
維新・松井代表「“忖度”首相は認めるべき」TBS系
森友学園問題をめぐり、日本維新の会の松井代表が「安倍総理は財務省などの忖度(そんたく)があったことを認め、やってはいけない忖度があるとはっきり言うべきだ」などと述べました。
「(火に)油を注いでいるのは皮肉にも安倍総理。忖度はないと強弁し続けるからそうなるのです」(日本維新の会 松井一郎代表)
維新の会の臨時党大会の中で松井代表はこのように指摘したうえで、「忖度が全て悪いという捉えられ方をしている。忖度があることを認めて、忖度にも良いものとやってはいけないものがあるとハッキリ言うべきだ」などと述べました。
森友学園の用地問題で、昭恵夫人付きの政府職員が財務省本省に問い合わせ森友側にファクスで回答したことについて、安倍総理は「忖度しているのであればゼロ回答にはならない」などと説明しています。
松井知事「首相は忖度認めて」共同通信
日本維新の会は25日、東京都内のホテルで党大会を開催し、憲法改正に向け「衆参両院の憲法審査会をリードする」と明記した2017年活動方針を採択した。代表の松井一郎大阪府知事は森友学園問題で「安倍首相は忖度があったと認めるべきだ」と述べた。
松井代表「首相は忖度ないと強弁し過ぎ」森友問題 朝日新聞デジタル
学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地売却問題で揺れる日本維新の会が25日、東京で党大会を開いた。松井一郎代表(大阪府知事)は、安倍晋三首相が24日に「(財務省が)忖度(そんたく)していないことは明らかだ」と国会答弁したことについて、「良い忖度と悪い忖度がある。首相は『やってはいけない忖度がある』と言うべきだ」とあいさつした。
松井氏は大会後の記者会見でも、「問題の本質を分からなくしているのは、皮肉にも安倍首相だ。『忖度がない』と強弁し過ぎている。森友学園について『悪い忖度ではない』とはっきり言うべきだ」と述べた。その上で「総理が辞職に値することではない。強弁はやめ、丁寧に説明すべきだ」と述べた。民進、共産など野党4党が要求する首相の妻昭恵氏の証人喚問については「首相夫人といえども、私人、民間人だ。必要ない」と語った。松井氏は自身の証人喚問要求には「いつでも行く」と応じる姿勢を強調している。
学園の小学校の設置認可などをめぐり、籠池(かごいけ)泰典理事長から証人喚問で「はしごを外された」と批判された松井氏。政権与党にも「問題は大阪の審議会に始まった」(自民党の西田昌司氏)として、維新に責任を押しつけようという動きもある。松井氏は大会で「(籠池氏は)自分で落ちた。当たり散らす先が僕しかない」と不快感を示した。
強いて言うと、サンケイスポーツの記事がニュアンス的に近そうですが、他の記事は松井知事の発言のほんの一部を切り取って、政権批判に結びつけたようです。
話を正確に伝える、というのはメディアで一番必要な姿勢だと思いますが、今のマスコミを見ていると、まず、自分の伝えたいことがあって、その為に相手の発言の都合がいい部分を切り取り、誤解を招くような見出しを付けて、印象操作をしているとしか見えません。
民進党や辻元清美議員の話は全てカットされていて、おそらく松井知事が一番言いたかったであろう「メディア批判」、具体的には「辻元清美議員の疑惑についての民進党へのメディアの忖度」は影も形もないニュースとなっています。
これでは、松井知事が言うように民進党に対してメディア各社が忖度した、正確には民進党からの記事にしないようにという要請をメディアが受け入れたと言われても仕方ありません。マスコミが偏向報道をしても、自ら情報を収集したり、日頃から比較的真っ当な報道をするメディアから情報を得るなど、対策を講じておく必要がありそうです。
個人的には、現在の新聞・テレビなどマスメディアの報道は、“便所の落書き”と評される2ちゃんねるの情報と大差ないと思って、見るようになってきています。
最近、嘘のニュースである「フェイクニュース」について話題になることが増えましたが、さすがにフェイクニュースとまではいきませんが、マスメディアの偏向報道はメディア自体の信頼性の問題につながります。マスメディアには、真実を追求する報道姿勢と報道の自由への矜持を持ってもらいたいところです。