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浅瀬に仇波(あさせにあだなみ)
古来より、人は自らの教訓を言葉で残し、古人の知恵や経験を「故事成語・ことわざ」として現代に伝えてきました。
その中から、時を超えて、人生に様々な示唆を与えてくれる「故事成語・ことわざ」を独断と偏見で選んでみました。きっとビジネスだけでなく、人生においても参考になるでしょう。
今回選んだのは、
「浅瀬に仇波(あさせにあだなみ)」
という「古今和歌集」が出典のことわざです。
「浅瀬に仇波(あさせにあだなみ)」とは
「浅瀬に仇波(あさせにあだなみ)」とは、
「思慮が浅く何も考えていない人ほど、取るに足らないことにも大騒ぎする」という意味です。
ちなみに出典となった「古今集」の歌を見てみると、
底ひなき 淵やは騒ぐ 山川の 浅き瀬にこそ あだ波は立て
となりますが、現代文に訳すなら、
深く水をたたえた淵は音を立てません。山あいの川の浅瀬にこそ、騒がしい波が立つのです。
といった感じになります。この歌は、冷たいとなじった恋人に対して返した歌とされています。
ビジネスにおいても、何らかの事態が起こった時、経験が少ない人は慌ててしまい、事の大小に関わらず同様に反応してしまいますが、経験豊富な人は、まず事態の大きさを見極めた上で事の大きさに応じた対処を行います。
いたずらに騒ぎ立てても周囲を混乱させるばかりで事態は収拾しません。「浅瀬に仇波」を立てず、今どういう状態なのか、何をすべきなのかを冷静に判断するようにしたいものです。