疑事無功(ぎじむこう)
古来より、人は自らの教訓を言葉で残し、古人の知恵や経験を「故事成語・ことわざ」として現代に伝えてきました。
その中から、時を超えて、人生に様々な示唆を与えてくれる「故事成語・ことわざ」を独断と偏見で選んでみました。きっとビジネスだけでなく、人生においても参考になるでしょう。
今回選んだのは、
「疑事無功(ぎじむこう)」
という中国の古書「戦国策」が出典の故事成語です。
「疑事無功」とは
「疑事無功」とは、
「疑心を抱いて行動しても、良い結果は期待できない成功しないので、一度決めたことは迷うことなくやり遂げるべきである」という意味です。
ちなみに出典となった「戦国策」の一節を見てみると、
肥義曰く、臣これを聞く、疑事は功無く、疑行は名無し、と
となりますが、現代文に訳すなら、
(趙の賢臣の)肥義が言うには「疑心を持って行っても成功せず、疑ってする行いでは名声は揚がらない」と。
といった感じになります。
趙王は、北方の騎馬民族が採るある戦法を採用しようとしていましたが、夷狄の戦法に対して反対の意見が多く、その採用をためらっていました。そんな趙王を見かねて進言したのが上記の肥義の「疑事無功」の一説です。この肥義の言葉を受けて騎馬民族の戦法を導入した趙は、その戦法で席巻することになります。
現代のビジネスにおいても、「疑事無功」は有効な言葉です。一旦、やると決めたことは疑ったり迷ったりすることなく、愚直に成功を目指してやり遂げることが重要です。
私自身を振り返ってみても、もっといい方法があるのではと考えたり、より効率的な方法がないかと考え始めると碌なことはありません。成功するかどうかは、たいていの場合、やるかやらないかにかかっているということを忘れてはいけません。