確乎不抜（かっこふばつ）

古来より、人は自らの教訓を言葉で残し、古人の知恵や経験を「故事成語・ことわざ」として現代に伝えてきました。

その中から、時を超えて、人生に様々な示唆を与えてくれる「故事成語・ことわざ」を独断と偏見で選んでみました。きっとビジネスだけでなく、人生においても参考になるでしょう。

今回選んだのは、

確乎不抜（かっこふばつ）

という中国の古書「易経」が出典の故事成語です。

「確乎不抜（かっこふばつ）」とは、
「意志がしっかりしていて動揺しない様子」を指します。

ちなみに出典となった「易経」の一節を見てみると、

確乎として其れ抜くべからざるは潜龍なり

となりますが、現代文に訳すなら、

しっかりとした志を持ち、どんなに苦しくてもその志を動かさない人物こそ「潜竜（せんりゅう）」というべきである

といった感じになります。「潜竜（せんりゅう）」とは、世にまだ出ていない英雄のことです。

仕事柄、新しく起業する方とお話しする機会がありますが、ビジネスを始めた当初は、経営的に苦しい局面に何度もぶつかり、自分のポリシーに反して安易な方向に流されがちです。どんなに苦しくても歯を食いしばって耐え、自分なりの正義やビジネスの核心を変えないことが、後々の成功に繋がってくるように思います。