「辞世の句」とは、人が死の間際に詠む漢詩・和歌・俳句などのことです。自分の人生を振り返り、この世に最後に残す言葉として、様々な教訓を私たちに与えてくれるといって良いでしょう。
古来より数えきれない辞世の句が残されてきましたが、今回は、立花道雪の最後の言葉として、立花道雪の辞世の句を紹介してみることにします。
立花道雪の最後
立花道雪は、豊後国(今の大分県)を治めた大友家の家臣で、勇猛をもって知られた武将です。知略にも優れていた立花道雪は、自らが率いた百数十の戦いにおいて負け知らずで、戦国屈指の名将と呼ばれましたが、龍造寺氏との戦いの陣中で病に倒れ、1585年11月2日に病死しました。享年は72歳でした。
そんな立花道雪の辞世の句と言われているのが以下の句(短歌)です。
立花道雪 辞世の句
「異方に 心ひくなよ 豊国の 鉄の弓末に 世はなりぬとも」
この歌を現代文に訳すなら、
豊後国が争いになったとしても、主以外の敵に心を引かれてはならない。
といったところでしょうか。
死を前にした時、彼の頭の中を去来したのはなんだったのでしょう。この立花道雪の最後の言葉である辞世の句は、皆さんの心にどう響きましたか?