証人喚問とは
国会中継やニュースなどでたびたび出てくる「証人喚問」について今回は見てみることにしましょう。
証人喚問とは、憲法62条にある国会の国政調査権を定めた制度に基づいて行われており、証人が嘘をついた場合は議院証言法によって偽証罪として問われます。また、感染症にかかったなど、正当な理由がなく証言を拒否したり、出頭を拒んだりした場合も罰金や禁固刑を科せられます。
証人喚問は、国政に関して何か起きた時に事実を確認したり、問いただすために証人を呼び出すことであり、参考人招致とは異なります。
証人喚問と参考人招致の違い
証人喚問と参考人招致との違いは証言を拒否したり、出頭を拒んだりしても強制力がないため、出席をしなくても良い部分になります。参考人招致では、証言をした時にもし嘘をついても偽証罪に問われることはありません。ですが、証人喚問においては、嘘の発言をした場合は3か月以上10年以下の懲役に科せられ、証言を拒否した場合は1年以下の禁固若しくは10万円以下の罰金と厳しい処罰がされます。
証人喚問と百条委員会の違い
同じように使用されることのある百条委員会は、地方自治法に基づいています。
百条委員会は、地方自治法100条によって地方議会が設置をしている調査特別委員会のことで、自治体の責任者、議員に何らかの疑惑があったり、不祥事を起こしたりした場合、どういうことかと真相を追及するために開きます。
百条委員会もまた、嘘の証言をしたり、正当な理由がなく証言を拒んだりした場合は、禁固刑や罰金刑が科せられます。
証人喚問と百条委員会との違いは、国会か地方議会かの差であり、刑罰は同じように科せられます。百条委員会は、開かれても各会派の影響から十分に解決されないまま終わってしまうことも多いです。覚えてない、と言ってしまうと何の追及もできなくなってしまうことも影響しています。
証人喚問、参考人招致、百条委員会の中で、最も緩いのは参考人招致となります。罪に問われることもなく、虚偽の報告をしたり、出頭を拒んだりしても影響があまりありません。そのため何のために開いたのかわからなくなることもあり、事前にきちんと論点をまとめ、どのようなことに対して追求していくのかを確認しておかなくてはなりません。
より疑惑を解明するには、証人喚問や百条委員会を開くことが良いですが、時間と税金が投入されるので、国政がスムーズにいかなくなることもあります。国会や地方での重大な議論が後回しになってしまうこともあるので、証人喚問や百条委員会を開くべき重大な事案であるかをしっかりと検証した上で、的確に進めていくことが必要となります。