貴耳賤目(きじせんもく)

故事成語 故事成語・ことわざ

貴耳賤目(きじせんもく)

貴耳賤目(きじせんもく)

古来より、人は自らの教訓を言葉で残し、古人の知恵や経験を「故事成語・ことわざ」として現代に伝えてきました。

その中から、時を超えて、人生に様々な示唆を与えてくれる「故事成語・ことわざ」を独断と偏見で選んでみました。きっとビジネスだけでなく、人生においても参考になるでしょう。

今回選んだのは、

「貴耳賤目(きじせんもく)」

という中国の古書「文選」が出典の故事成語です。

「貴耳賤目(きじせんもく)」とは

「貴耳賤目(きじせんもく)」とは、
昔の出来事を重視して現実を軽んじること、または、他人から聞いたことを信じ込み、自分の目で見たことを信じないこと」という意味です。

ちなみに出典となった「文選」の一節を見てみると、

客の如きは所謂末學膚受、耳を貴んで目を賤む者なり。

となりますが、現代文に訳すなら、

あなたのような方は、いわゆる学が浅く、人の言うことは信じるが自分の目で見たものは信じないという人である。

といった感じになります。

「貴耳賤目」は、現代のビジネスにおいても多くのことを示唆してくれています。

どこの誰が言ったかわからないような怪しげな都市伝説のような「知識」を信じ込んで業務を行い、目の前で起こっていることを直視しようとせず、責任や原因を他に転嫁する人を時折見かけますが、実際に起きた事象は「起こるべくして起きる」わけで、目の前で起こっていることを軽視していては、永遠に「正解」には行き着かないでしょう。

偽物と本物、誤りと正解を見抜くためには、素直な心を持って物事を決めつけずに見る目を持ち、しっかりと正しい知識を学んで、自分で考えることを忘れないようにしたいものです。

 

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