政党別得票数で見る都議選2017

雑感コラム

政党別得票数で見る都議選2017東京都議会議員選挙(以下、都議選)が終わり、マスコミは一様に「自民党 歴史的大敗」と伝えました。

自民党の議席は、改選前の半分にも満たず過去に例のない議席数に落ち込んだわけですから、大敗であることには間違いはありませんが、今回は、一般的な指標である「議席数」ではなく「政党別得票数」で実際の都民の民意がどうだったかを見てみることにしましょう。

都議選での政党別得票数(過去4回)

都議選における過去4回分(2017年・2013年・2009年・2005年)の主要政党の政党別得票数をまとめたのが以下の表です。

2017年 2013年 2009年 2005年
自民党 1,260,101 1,633,303 1,458,108 1,339,548
公明党 734,697 639,160 743,427 786,292
維新 54,016 374,109 – –
都民フ 1,884,030 – – –
みんな – 311,278 – –
保守系 3,932,844 2,957,850 2,201,535 2,125,840
民進党
(民主党)
385,752 690,622 2,298,494 1,070,893
共産党 773,723 616,721 707,602 680,200
ネット 69,929 94,239 110,407 181,020
革新系 1,229,404 1,401,582 3,116,503 1,932,113

補足)2009年は民主党(現 民進党)、2013年は自民党にフォローの風が吹いた都議選で、それぞれ大きく得票数を増やしています。

2005年の都議選をベースで今回の政党別得票数を見ると、自民党は確かに票を減らしているものの、世間で言われているほどの「大敗」ではないことがわかります。

一方、過去4回の都議選で大きく得票数を減らしてきているのは、民進党(旧 民主党)で、前回比で 56%、2005年比で 36%の得票数にとどまり、長期低落傾向に歯止めが掛けられていません。また、地味ではありますが、東京・生活者ネットワークも長期低落傾向の政党となっているように見えます。

直近の都議選での得票数を見ると、民進党や東京・生活者ネットワークから共産党や都民ファーストへ票が流れているようで、民進党は右派系の支持が都民ファーストへ、左派系の支持は共産党へと、まさに「草刈場」の様相を呈しています。

保守系・革新系での得票数は?

次に保守系・革新系での得票数を見てみることにしましょう(生活者ネットワークは革新系に加えています)。

上表で保守系・革新系の主な政党で得票数の変化を比べてみると、保守勢力の獲得議席数は都議選の度に増えているのに対し、革新勢力は、民主党の政権交代があった 2009年の選挙結果を除けば、4年間毎に 15%前後得票数が減っていることがわかります。

左派系の人達の間では「安倍政権へダメージを与えることができた」と、今回の都議選を評価する声も出ていますが、得票数から見る限りでは、ボディーブローのように選挙の度に一貫してダメージを受けているのは革新勢力の側ということになります。

一見すると戦いに勝ったように見えるが、実際は自軍の犠牲が大きくて割に合わないことを指して「ピュロスの勝利」と言いますが、まさに今回の都議選後における革新勢力こそ「ピュロスの勝利」そのもののように思えます。

【参考記事:ピュロスの勝利とは?】

2017年 都議選で大敗した政党は?

こうして政党別の得票数から都議選を見てみると、民進党の退潮基調は確定的で、次回の都議選への展望といった観点で見ると、今回の都議選で致命的な大敗を喫したのは、自民党というよりも民進党だったようです。

民進党は蓮舫代表の留任を発表しましたが、共産党の約半分の得票数まで落ち込む事態になっても、相変わらず具体的な政策でなく「反自民」を訴えるだけの党首を担いでいるようでは末期的と言えます。

安倍政権へ一定度のダメージを与えられたことで今回の都議選の結果を評価する国会議員がいたり、5議席確保できたことに対して安堵の声が上がる現状では、民進党内部からの自浄作用も期待できず、今後の民進党の復活はないとみた方が良さそうです。

今後はどうなる?

急速に支持を失いつつある民進党の受け皿がどの政党になるかが、今後の焦点になりそうですが、必ずしも革新系政党に票が流れているわけではない状況を考えると、民進党の衰退によって一時的に共産党の議席が増えることはあったとしても、革新勢力全体から見れば、徐々に影響力が衰えていくと思われます。

次回、2021年に実施される都議選では、その傾向がより鮮明になるでしょう。