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野鶴の鶏群に在るが如し
(やかくのけいぐんにあるがごとし)
古来より、人は自らの教訓を言葉で残し、古人の知恵や経験を「故事成語・ことわざ」として現代に伝えてきました。
その中から、時を超えて、人生に様々な示唆を与えてくれる「故事成語・ことわざ」を独断と偏見で選んでみました。きっとビジネスだけでなく、人生においても参考になるでしょう。
今回選んだのは、
「野鶴の鶏群に在るが如し
(やかくのけいぐんにあるがごとし)」
という中国の古書「晋書」が出典の故事成語です。
「野鶴の鶏群に在るが如し」とは
「野鶴の鶏群に在るが如し」とは、
鶏の中に一羽だけ鶴がいるように「多くの凡人の中で、ひときわ光彩を放つ一人の優れた人物がいる」という意味です。
ちなみに出典となった「晋書」の一節を見てみると、
紹、始めて入洛す。
或る人王戎に謂ひて曰く、
昨に於いて稠人ちゅうじん中に稽紹を始見す、昂昂然こうこうぜんとして、野鶴やかくの鶏群に在るが如し、と。
或る人王戎に謂ひて曰く、
昨に於いて稠人ちゅうじん中に稽紹を始見す、昂昂然こうこうぜんとして、野鶴やかくの鶏群に在るが如し、と。
となりますが、現代文に訳すなら、
稽紹(けいしょ:中国西晋時代の忠臣)が任官されて始めて上京した時、ある人が稽紹の姿を見て王戎に言いました。
「 昨日、多くの人が集まっている中で稽紹を初めて見ました。 自信に満ち溢れて威厳があり、まるで鶏群の中に野鶴が混じっているかのように際立っておりました」
「 昨日、多くの人が集まっている中で稽紹を初めて見ました。 自信に満ち溢れて威厳があり、まるで鶏群の中に野鶴が混じっているかのように際立っておりました」
といった感じになります。
「野鶴の鶏群に在るが如し」と言えば、採用面接をしていると非常に稀ですが、他の人とは明らかに違う雰囲気を持った人が応募してくることがあります。
人手不足続く中でこうした有為の人材をどれだけ獲得できるかが、今後の中小企業経営を左右します。その為にも自社の強みをはっきりさせて社員の待遇を改善し、他社との差別化を図っていくべきです。