2018年問題とは
2018年問題とは、2018年を境に18歳人口が減少することを指し、大学進学者が減る為、多くの大学が経営上の問題が出ると予想されています。
従来は、大学への進学率の伸びなどによって、大学経営は成り立ってきました。
4年制大学や短期大学の進学率に関しては、1970年~1980年代は36~37%でしたが、1995年には45%になり、2005年には52%までアップしています。2000年頃、大学進学を希望する人は誰でも入学できるという全入時代に入り、2014年には進学率は57%に達しています。さらに、専門学校を加えると、進学率が80%を超えているのが現在の状況です。
さらに、浪人生の増加を抑制するために文部科学省が大学の臨時定員数の増加を認めたことで、受験バブル期を迎え、この受験バブル期の恩恵によって、多くの私立大学は、経営状況の悪化を乗り越えることができたと言われています。
しかし、2018年問題により、本格的に18歳人口が減少期に入っていくことになり、大学進学率の頭打ちも重なって、大学経営が厳しい状況になっていくと考えられています。
18歳人口の減少が予想されていたにもかかわらず、私立大学を中心に大学の数が継続して増え続け、短大から4年制への転換も相次いでいましたが、2010年頃から経営の悪化から学生の募集を停止する学校が目立つようになり、2018年問題がクローズアップされるようになってきました。実際、私立大学では定員割れが既に5割近くに達していて、中には閉校する大学も出てきています。
2018年問題により、将来的に、学生が集まる大学と集まらない大学の二極化が進むと予想されていて、学校側としては選ばれる大学にならなければいけません。
看護など実学系の学科を設けたり、国際系の学部を設けたり、産業界が求めるような人材養成の観点から学科を設けるなど、ある分野に特化した学校を目指した改革が必要になったり、入試制度をアレンジしたり、ライバル校との受験日をずらしたり、志願者が受験しやすい取り組みも必要です。
一方、2018年問題の家計に与える影響としては、学生の減少をカバーすることで大学側が授業料の値上げに踏み切ることが予想され、教育費が増えることによるこれまでのライフプランの見直しも必要になりそうです。お子さんのいる家庭では慌てることのないように、今からライフプランを見直したり、さまざまなサポート制度をチェックしておくと良いでしょう。