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急流勇退(きゅうりゅうゆうたい)
古来より、人は自らの教訓を言葉で残し、古人の知恵や経験を「故事成語・ことわざ」として現代に伝えてきました。
その中から、時を超えて、人生に様々な示唆を与えてくれる「故事成語・ことわざ」を独断と偏見で選んでみました。きっとビジネスだけでなく、人生においても参考になるでしょう。
今回選んだのは、
急流勇退(きゅうりゅうゆうたい)
ということわざです。
「急流勇退(きゅうりゅうゆうたい)」とは
「急流勇退(きゅうりゅうゆうたい)」とは、
船が急流の中で素早く回転し退く様子から「仕事も地位も隆盛なうちに身を引いて後進に道を譲る」という意味で使われます。
私自身の経験ですが、独立して会社を興す前、社員数 20名くらいの中小企業の運営を 3年ほど手伝っていた時期がありました。その会社には、70歳代のオーナー社長がいましたが、事業展開や縮小のタイミングを見極める目や計数感覚は優れていて、若干強権的な経営手法はいただけませんでしたが、他人からの意見には耳を傾ける優秀な経営者だったように思います。
しかし、時間とは恐ろしいもので、73歳を過ぎるあたりから、怒りっぽくなり、社員への猜疑心が目立つようになりました。同じことを何度も言ったり、話のつじつまが合わないことを言ったりし、他人からの忠告を受け入れなくなり、些細なことで社員の給料を上げ下げしたり、首を切ったりした為、社員とのトラブルも増えるようになってきました。
このように、いかに優秀な人であっても、必ず老いは訪れます。過去の実績や名声を食いつぶさないようにするには、周囲から惜しまれる時に身を引くべきだということなのでしょう。