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庇を借りて母屋を取る(ひさしをかりておもやをとる)
古来より、人は自らの教訓を言葉で残し、古人の知恵や経験を「故事成語・ことわざ」として現代に伝えてきました。
その中から、時を超えて、人生に様々な示唆を与えてくれる「故事成語・ことわざ」を独断と偏見で選んでみました。きっとビジネスだけでなく、人生においても参考になるでしょう。
今回選んだのは、
「庇を借りて母屋を取る(ひさしをかりておもやをとる)」
ということわざです。
「庇を借りて母屋を取る(ひさしをかりておもやをとる)」とは
「庇を借りて母屋を取る(ひさしをかりておもやをとる)」とは、
「最初は一部を借りて、やがて全てを乗っ取ること」を指します。
「庇を借りて母屋を取る」の話
2017年の衆院選で、蓮舫氏の二重国籍問題や山尾志桜里氏の不倫問題などで支持率が低迷していた民進党は、当時支持率が高かった希望の党への合流により党勢の回復を図りました。
衆院選の結果、希望の党の所属議員の大半を旧民進党出身議員で占め、希望の党の事実上の “乗っ取り” には成功しましたが、衆院解散から選挙公示日までの短期間で合流したために、国民からは「希望の党 ≒ 民進党」が見透かされてしまい、結果、希望の党を使った党勢回復にはつながりませんでした。
「庇を借りて母屋を取る」を成功させるためには、時間をかけて段階的に主導権を勝ち取っていくことが必要です。
2017年の衆院選における民進党のように一足飛びに “最終形” を目指してしまえば、強者からも第三者からもその意図を見抜かれて、うまく事をなすことができません。
意図を隠し、焦らず時間を掛けながら信頼を得て、徐々に主導権を勝ち取っていくことこそ「庇を借りて母屋を取る」の重要なポイントだと言えるでしょう。