群竜無首(ぐんりゅうむしゅ)
古来より、人は自らの教訓を言葉で残し、古人の知恵や経験を「故事成語・ことわざ」として現代に伝えてきました。
その中から、時を超えて、人生に様々な示唆を与えてくれる「故事成語・ことわざ」を独断と偏見で選んでみました。きっとビジネスだけでなく、人生においても参考になるでしょう。
今回選んだのは、
群竜無首(ぐんりゅうむしゅ)
という中国の古書「易経」が出典の故事成語です。
「群竜無首(ぐんりゅうむしゅ)」とは
「群竜無首(ぐんりゅうむしゅ)」とは、
多くの竜がいても、頭目となる竜がいない状態で「優れた人材はいるが、指導者を欠いているため物事がうまく運ばない」ことを指します。
ちなみに出典となった「易経」の一節を見てみると、
群龍頭なきを見る。吉なり
とあり、現代文に訳すなら、
竜が群れて現れるように勢いが盛ん過ぎるときは、首を隠すように控え目にすれば吉である。
といった感じになります。
「群竜無首」といえば、一向に物事が進んでいかない会社をたまに見かけます。
物事の進まない理由としては大きく二つあり、一つは人数が少なくて手が回っていない場合、そしてもう一つが優れた人材はいるのに、指示する人材がいない場合です。
以前は「船頭多くして船山に登る」のように皆が思い思いに物事を進めていくケースが多く見られましたが、最近は誰も “船頭” になる人がなく、まさに「群竜無首」の場合が多くなってきているように思います。
もし、御社で実行力のなさが問題になっているのであれば、経営者自身の指示が明確でなかったり、途中でうまく伝わっていないのかもしれません。経営者は、自らの言葉で明確に直接指示できているかを一度見つめ直してみると良いでしょう。