インフルエンサーとは
「インフルエンサー」とは、感化や影響などを意味する influence を語源として生まれた言葉であり、影響力を持つ人物や物事などを指しています。現在よく使われているケースでは、周囲の人に大きな影響をもたらすキーパーソン(≒ SNSでフォロワーが多かったり、アクセスの多いブログを運営している人) という意味が大きいでしょう。「インフルエンサー」は、インターネットが一般化し、マーケティング手法などが議論される中で、大きく注目を浴びるようになった言葉です。
様々な広告が溢れている現代では、消費者は常に情報の選択をしなければなりません。そうした情報過多ともいえる状況で、とくに影響力を持つ人物(インフルエンサー)によるマーケティングが、大きな作用を持つようになりました。インターネット上で様々な情報を得ることができるようになった消費者は、従来のマスメディアによる広告よりも、こうしたインフルエンサーたちから提供される情報に、より影響されるようになったといわれています。
インフルエンサーという単語が注目された当初は、芸能人やスポーツ選手などの有名人によるマーケティングなどが大きな影響力を持っていたとされています。そうした手法に対する消費者の興味が低下していった背景には、「ステルスマーケティング(通称:ステマ)」との境界線が曖昧であったことがあるのかもしれません。
最近では、一般人ブロガーなど、より消費者にとって身近な存在に、注目が集まっています。こうした人物たちはマイクロインフルエンサーと呼ばれ、いわゆる有名人のような知名度を持たなくても、特定の集団に対して大きな影響力を持っているとされています。SNS などを通じたマイクロインフルエンサーたちの活動が、消費者の動向に大きく作用する可能性があるのです。
しかし、こうした見方に否定的な意見も存在しており、その効果にはまだ疑問が残るといわれています。情報拡散に非常に有効である、という意見もあれば、そもそもこうした効果は幻想にすぎない、と断じる意見もあります。
また、企業によるマーケティング要素が加わることで、SNS などにおいてユーザー間の格差が生まれることを警戒する向きもあります。特定のユーザーに対して特別な待遇を用意することで、不公平感が高まり、逆に企業へのネガティブなイメージが生まれてしまう可能性も指摘されています。また、SNS は個人の集団であり、その動向を完全にコントロールすることは、不可能に近いといえるでしょう。インフルエンサーを使ったマーケティングは、より一層の配慮と注意が必要だと思います。