戸越銀座商店街でも異変~立地のアドバンテージ減少?

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戸越銀座商店街でも異変~立地のアドバンテージ減少?先日、戸越銀座商店街を訪れる機会がありました。戸越銀座商店街と言えば、日本有数の商店街で知られています。

私自身、戸越銀座商店街を何度も訪れていますが、土日はもとより、平日でもいつも人通りと活気があり、成功した商店街と言ってよいでしょう。そんな商店街の勝ち組である戸越銀座商店街ですが、商店街の通りに面して 1階という、立地的に申し分のなさそうな複数の店舗が空き店舗になっていて驚かされました。以前も閉店したり、開店したりとお店の出入りは目にしていましたが、「空き店舗」の状態が複数あるのは、以前には見かけなかった 姿のように思います。

戸越銀座商店街ほどではありませんが、私が住む街にある大きめの商店街でも同じようなことが起きつつあります。

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数年前にはなかったお店の入れ替わりが頻繁にあるだけではなく、まだ少数ですが、シャッターを閉めたままの「空き店舗」も見かけるようになってきました。

戸越銀座商店街の状況は詳しく把握していませんが、ちなみに私が住む街の商店街の場合、アパレル・衣料品・ブティックといった服飾関係のお店が閉店することが多く、代わりにテイクアウトのお店も含め、飲食店がオープンする比率が上がってきているように思います。

こうなった理由としては、おそらく商店街の人通りは数年前に比べると減っていると感じる上に、店舗に足を運ばなければサービスを受けられない飲食店のような業種を除けば、大型量販店やネット通販の成長のあおりを受けている側面もあるかと思います。

以前は、駅前に店舗を構えれば普通に売れていたものが、商品によって次第に売れなくなる。そういう意味では、商売をする上で、駅前や大規模な商店街といった(リアルな)立地のアドバンテージが失われつつある のでしょう。

では、対処法はあるのでしょうか?
当社のお客様にも商店街のお店がいくつもあり、集客をお手伝いしていますが、大型量販店やネット通販でなく、自分のお店に来てもらうためには少々工夫が必要です。

立地のアドバンテージが失われていく中でも売上が堅調に推移している店舗には次の 2つの共通点 があります。

●コアなターゲット層に支持されているお店
●SNS などで高いネット発信力を持つお店

この共通点に見られるように、「どこにでもあるお店」や「お客様を待っているお店」でなく、「品揃えも含めてエッジの効いた発信力のあるお店」が実店舗を運営する上で非常に重要なファクターだと感じます。

あらためて考えてみると、初歩的なマーケティングではありますが、戸越銀座商店街だけでなく、実際に小規模店舗を訪れてみると驚くほど、この「初歩的なマーケティング」がなおざりになっていることに気付きます。実店舗であろうが、ネットショップなどの仮想店舗であろうが、売上を増やす為にはターゲットを決め、そのターゲットに対して効果的なマーケティングを考えて実施することが重要です。“人通りやアクセスが多ければ売れる” のも確かですが、その「人通りやアクセス」は未来永劫変わらないという保証は何もないのです。

近年、商店街の衰退の話をよく聞きますが、立地のアドバンテージの盲信がその一因になっているのかもしれません。今はいかに立地が良くとも、それだけに頼らず、常により多くの方へ発信をしていく努力の積み重ねが重要性だとを感じた出来事でした。