今回は、起業する時に参考になりそうな「スモールビジネスの作り方」について触れてみましょう。
まず、ここで言う「スモールビジネス」の定義ですが、端的に言うなら「規模が小さくリスクが少ないビジネス」です。
以前は、起業して会社を設立すると、人をたくさん雇って事業規模を拡大していく経営者が多かったように思いますが、昨今の経営環境の変化により、少人数で可能な範囲で事業拡大を図っていく経営者が増えてきています。
例えば、雇用については人手不足でそもそも人材難というのもありますが、社員との労働トラブルや従業員によるネット炎上(バイトテロ)などの雇用リスクが顕在化してきたことで、従業員を増やして事業を拡大する方法を選ばない経営者が徐々に増えているように感じます。
また、インターネット通販、アフィリエイター、ブロガーなど、インターネット活用により比較的手軽にビジネスを始められ、営業社員を使うことなく事業拡大していけるようになったことも大きいでしょう。
前置きが長くなりましたが、本題の「スモールビジネスの作り方」に入っていきましょう。
スモールビジネスで考えるべきは、まず「人に頼らない」ビジネスモデルです。「人に頼らない」には、従業員に頼らない、外部業者に頼らない、という二通りの意味が含まれています。
まず、従業員に頼ることは、従業員を増やして事業規模を大きくするという従来からのビジネスモデルと変わりません。従業員を増やすと、人件費が増えるだけでなく、人数に見合った事業所が必要になります。人が増えると労務管理も行き届かない部分が出てきますし、その結果、雇用リスクも増えます。
次に、外部業者に頼らない、ということですが、少人数で事業を進めていくには、業務の効率性が鍵になってきます。外部業者に仕事を発注し進行管理をするには「連絡する」ことが必要です。この「連絡」が結構曲者で、正確でマメに連絡をしなければ、お客様の望む商品・サービスを提供できないということがしばしば起こります。
外部業者に頼らず内製する前提で考えると、「連絡」に関わる労力自体も“ムダ”で省くことができますし、外注費をなくすことで粗利率の向上にもつながります。スモールビジネスは、売上高をドンドン伸ばしていくビジネスモデルではありません。粗利率や利益率を極限まで高めて、効率的な事業運営をしていくことが重要です。
さらに、スモールビジネスでは、数少ない従業員のリソースを効率的に活用することも重要なテーマです。例えば、数少ない従業員を営業マンにして、プッシュ営業を掛けるというようなことはもっての外です。インターネットを活用し「プル型営業」をしつつ、場合によっては客先に訪問しないで販売するくらいの割り切りが必要です。