先日、ある経営者の方から「ネット集客をする上で最も重要なものは何ですか？」と聞かれました。
しばし考えた上で「経験です」とお答えしました。
ネット集客をする時で、いつも右肩上がりに集客が増えるわけではありません。上下動を繰り返しながら、徐々に増えていくものです。数か月～１年のタームでとらえると概ね右肩上がりになるのですが、短い期間、例えば数日～数週間といったタームでは、SEO対策で検索順位が一時的に落ちるとか、ホームページのお問い合わせ率（CV率／CVRとも言います）が一時的に落ちるなど、数値が悪化する局面が必ずあります。その時に辛抱して改善するタイミングを待てるか、それを左右するのが集客の「経験」なのです。
例えば、御社のホームページが、あるキーワードでの検索順位で１位にいたとします。ある日、検索順位が３位になってしまいました。
以前に同様な事象を経験していれば、この位の順位変動は周期的なもので２～３週間経つと元の１位に戻ることを予測して、辛抱強く待つことができます。しかし、そういった経験がなければ、なぜ順位が落ちたのかを考え、ホームページの思いつく箇所を修正していきます。ホームページは基本的に手を入れると一時的に順位が下がる傾向があります（過去記事：「ホームページは頻繁に更新するとSEO上効果的である」という都市伝説）ので、さらに順位低下を招くといった負のスパイラルに陥っていきます。
もちろん、検索順位が下がる原因が以前に行った修正自体にある場合もありますが、周期的な順位変動である場合の方が圧倒的に多いのです。そもそも数値悪化の原因がない事象に対して、原因を探して、本来上手くいっていたものまで変えてしまう、そういった失敗がネット集客では多く見られます。それを避けるのが「経験」ということになります。
「経験」があれば、目の前の事象が周期的な範囲のものなのか、対応が必要な異常値なのかを高確度で見分けられるようになります。
全ての事象には原因があると考えてしまいがちですが、ネット集客では原因がない事象があることを頭の片隅に置いて日々の数値を見ていくとネット集客の成功確率もアップすると思います。
