ダブルケアとは、まだあまり馴染みが無い言葉かもしれませんが、ダブルケアは、誰の身にも起こり得ることです。親の介護と子育てを同時進行で行わなければならない状態を指してダブルケアと言います。
近年は晩婚化に伴い、女性の出産年齢が上がりつつあります。以前は平均的な結婚年齢が早かったため、子育てが一段落したところで親の介護が始まると言うケースが一般的でした。また平均寿命もそれほど長くなかったことから、実際に親の介護をする期間は限られている場合が多かったのですが、近年では、晩婚化や寿命の伸長、高齢化もあり、今後ダブルケアに直面する家庭が増えていくと予想されています。
ダブルケアにおける大きな問題点としては、時間と資金面が挙げられます。
ダブルケアでは、男性よりも女性にのしかかる負担は大きいと言われていますが、近年働く女性も増えており家事と仕事・子供の世話がある上に、さらに介護をしなければならないため全く時間が足りないという問題が起こります。
さらに介護にはお金も必要になりますが、親が資金を残しているのかという不安と、資金が足りなければ自分達の貯金を切り崩して対応しなければならないという状態も考えられます。そうなると子供の教育資金や自分達の老後資金の不足という心配が起こり、将来に対して不安な気持ちしか残らなくなってしまいます。
もしダブルケアに直面してしまったら、まずは一人で抱え込ますに、夫や親戚など周囲の人に相談することが大切です。自分一人で全部を担おうとすると、いずれ自分が倒れてしまうことにもなりかねません。そうならないためにも、今補わなければならない事は何なのかをしっかりと話し合う必要があります。
そしてその上で、ベビーシッターやヘルパーなどの人手を増やしたり、勤務先の育児休業や介護休業と言った制度を可能な限り利用して解決できるようにします。もしダブルケアのために仕事を辞めてしまうと、再就職も難しくなって自分達の生活資金や教育資金の不足に陥ることも考えられます。そこでなるべく退職は考えずに一時的な休業という手段を選択し、仕事は続けるようにすることをお勧めします。
ダブルケアとは、大袈裟に言えば自分の将来の生活までも脅かす可能性がある事柄です。そのためしっかりと身内や会社と話し合い、じっくりと考えて行動を起こすことが大きなポイントになります。