ノイジーマイノリティとは、少数派にもかかわらず、主張が攻撃的なまでに激しいため、異様に目立っている人々を指します。いわゆるクレーマーなどは、これに近いものがありますが、しばしば政治的主張を繰り返すことが、大きな違いとなります。
ノイジーマイノリティが生まれた背景には、情報技術の発達により、誰もが主張者になれることがあげられるでしょう。実際、SNSでの呟きが、世界中で拡散されるといったことも、決して珍しくなくなりました。
また、人間には他者に認められたいという社会的欲求もあり、これがノイジーマイノリティのあり方に、拍車をかけています。
ノイジーマイノリティの行動は、とにかく執拗に非難を続けることに尽きます。自分が否定するものに対しては、事実も虚偽もないまぜにしながら、あらゆる手段で糾弾しようとします。SNSで付きまとい、議論の名を借りた、一方的な言いがかりに引きずりこもうとします。相手にすれば、無理難題をふっかけ、無視すれば、議論から逃げたと言いふらすのが習性です。時には、電話や手紙なども駆使し、ついには職場などに押しかけることさえあります。
ノイジーマイノリティの目的は、相手を否定することのみにありますから、たとえ謝罪したとしても引き下がりはしません。さらに要求はエスカレートし、場合によっては、団体の解散や、自死を強要するまでに至るのです。このようにノイジーマイノリティとは、極度のヒステリー症状といえます。
あくまで彼らは少数派ですが、その言葉が一度拡散されてしまえば、真実であるなしにかかわらず、攻撃を受ける側のダメージは少なくありません。「ポスト真実(post-truth)」という言葉が欧米で話題となったように、そのような声が、世論を左右することさえ珍しくなくなりました。
では、ノイジーマイノリティという存在に対して、どのような対抗手段が考えられるのでしょうか?
それは、きちんと正しい声をあげるということです。クレームは声に出しやすい一方、褒めることを、なかなか日本人はしません。その結果、クレーマーの声のみが反映されてきたのが、今までの社会でした。しかしこれからは、もっと企業や個人を褒め称える声を発信し、ノイジーマイノリティの声を相対的に抑えていくことが大切です。
また、ノイジーマイノリティによって非難に晒されたとしても、あくまで少数意見であることを念頭におき、冷静な対処を心がけるべきです。