つながらない権利とは?

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つながらない権利とは?社会人になると、上司や同僚とのやり取りは大切です。特に難しい仕事の場合には、上司の助言も役に立ちます。ところが、仕事も終わって勤務外時間のはずなのに、上司から仕事のメールや電話が来ることがあります。

せっかくの自分の時間のはずなのに・・・、と、上司からのメールや電話に対応する人も多いのではないでしょうか。

日本ではありがちな光景ですが、国際的には法律で勤務時間内と勤務時間外を分ける動きが出てきています。例えば、フランスでは、従業員50人以上の会社を対象に「つながらない権利」という法律が新たに施行されました。

この「つながらない権利」とはどんな法律かというと、勤務時間外に上司や会社関係者からのメールへの返信、デジタルツールを使った休みの日の仕事などをする必要がない、と定められた法律です。

つまり、休みの日には仕事をさっぱり忘れて休みを満喫したり、頭や体をリフレッシュ出来るという、従業員にとってとても嬉しい法律と言えるでしょう。

この「つながらない権利」の法制化に対しては、国内国外を問わず賛否両論あるようです。

海外の国々、特に欧米は、仕事に対するスタンスが日本とはまるで違うため、賛成派が多数です。欧米人は、どちらかと言うと仕事よりも生活や家族が大事という感覚が社会的にも根付いていて、より良い生活そして愛する家族と一緒に生きていくために仕事をする、というスタンスがあります。

一方、日本人は、欧米とは真逆で生活や家族よりも仕事優先という考え方がまだまだ根強いこともあり、メールの返信をするもしないも個人の自由で法律で決められたくない、というような反対意見が多いようです。

確かにシフト勤務だと仮定したら、急なシフト変更が生じると勤務時間外であっても連絡しなければなりません。そういう緊急性のある場合には勤務時間外のメールへの返信要求も仕方ない事だと思います。しかし、不要不急の内容について勤務時間外にメールやSNSのメッセージが来ることも多く、まだまだ従業員側に立った配慮が足りていないのも事実です。

もし「つながらない権利」があれば、不必要な仕事メールは激減し、休暇中のストレスフリーが実現します。ストレスフリーを目指すには、プライベートと仕事をしっかり分ける必要があります。

休日にしっかり頭も体もリフレッシュ出来れば仕事に集中し生産性も向上されるでしょう。この「つながらない権利」こそ、今のゆとりのない日本会社に必要なのではないでしょうか。