新しい酒は新しい皮袋に盛れ
古来より、人は自らの教訓を言葉で残し、古人の知恵や経験を「故事成語・ことわざ」として現代に伝えてきました。
その中から、時を超えて、人生に様々な示唆を与えてくれる「故事成語・ことわざ」を独断と偏見で選んでみました。きっとビジネスだけでなく、人生においても参考になるでしょう。
今回選んだのは、
「新しい酒は新しい皮袋に盛れ」
という「新約聖書・マタイ伝」のイエス・キリストの言葉に由来する故事成語です。
「新しい酒は新しい皮袋に盛れ」とは
「新しい酒は新しい皮袋に盛れ」とは、
「新しい内容や思想を表現するためには、それに応じた新しい形式が必要である」という意味です。
新約聖書・マタイ伝には、
新しいぶどう酒を古い革袋に入れる者はいない。
そんなことをすれば、革袋は破れ、
ぶどう酒は流れ出て、革袋もだめになる。
新しいぶどう酒は、新しい革袋に入れるものだ。
そうすれば、両方とも長持ちする。
という一文があり、この一文から「新しい酒は新しい皮袋に盛れ」という言葉が生まれたとされています。
現代のビジネスシーンにおいても、例えば、古いことを改めて新しいことを始める際、従前と同じ組織・同じ上司・同じ人がやるのでは、効果は期待できません。
これまでの失敗は「古い考え方や形式」が引き起こしている部分もあります。まさに「古い皮袋」をそのまま使っていては、せっかく新しいことを始めたとしても成功はおぼつかないと言えるでしょう。
新しいことを始めるなら「新しい皮袋」に入れることを意識すると良いでしょう。