解雇通知書の記載内容と渡す時期
経営上できれば避けて通りたいのが「社員の解雇」です。しかし、業績の低迷など、止むを得ず社員を解雇せざるをえない場合もあります。
そこで今回は「解雇通知書の記載内容と渡す時期」について見てみることにしましょう。
解雇通知書とは?
解雇通知書とは、企業などの雇用主が、社員との雇用契約を解除することについて、解雇を行う予定の従業員に対して予告をするために渡す文書のことです。
解雇通知書への記載内容
解雇通知書の記載内容は、形式が定まっています。解雇通知書に記載される内容は、解雇される予定の社員の氏名、解雇通知書が発行される日付、雇用者名、雇用者の証明押印、解雇予定年月日、解雇されることになった理由です。
解雇通知書には、解雇理由が記載されています。解雇には4つの種類がありますが、就業規則や労働協約などに明記されている解雇事由に沿った解雇である必要があります。
解雇に不服がある従業員は、通知書をもとに司法へ判断を持ち込まれる場合もありますので、解雇通知書に記載する内容は法務部や顧問弁護士などと確認の上、漏れや過剰記載がないか注意深く確認する必要があります。
通知書に解雇事由が記載されている場合であっても、解雇に至った経緯などから、裁判所の判断で不当解雇・解雇権の濫用と判断されるケースがあります。そのため、通知書に記載する内容と、解雇対象となる従業員への対応に違いがないかどうかもチェックを行う必要があります。
解雇通知書を渡す時期
就業規則に則って、解雇理由と解雇予定日付を明記した解雇通知書を、解雇される予定の従業員に対して、解雇の30日前までに渡すことになっています。何らかなの事情があって、解雇予告を行っていない場合や、予告期間が30日に満たない時などは、解雇予告手当が支払われることになります。
解雇予告手当が支払われる場合、30日分以上の平均賃金を、解雇予告金として支払うことになっています。予告日数に関しては、労働基準法の中で、「1日について平均賃金を支払った場合においては、その日数を短縮することができる」という記載があります。
その場合は、対象となる日数の予告手当を日割りで計算することによって、支払われることになります。なお、30日以上前に解雇予告を行っている時は、解雇予告手当を支払う必要はありません。また、即時解雇の場合は、解雇通知書を渡す時と同時に、解雇予告手当が支払われることになります。