ABCPとは?

ABCPとは

ABCPとは、資産担保コマーシャルペーパーのことです。コマーシャルペーパーとは、本来、無担保の約束手形のことを指します。企業が資金を調達するために発行する約束手形で、その仕組みは社債によく似ています。

社債は償還期間が1年以上あるのが特徴で、有価証券として取引されますが、コマーシャルペーパーの場合は償還期間が短く、1年未満のものが多くなっています。30日未満というごく短期の償還期間も少なくありません。社債の取引は証券会社を通じて行われる一方で、コマーシャルペーパーは銀行でも取り扱ってくれます。

通常のコマーシャルペーパーだと無担保が特徴ですが、ABCP では企業の売掛債権や証券化商品を担保にした約束手形を発行します。この部分がコマーシャルペーパーとの違いです。

あまり日本で馴染みのない ABCP ですが、アメリカでは割と盛んに利用されてきた歴史があります。

一般の人が ABCP の存在を知るきっかけになったのが、世界規模で金融資本市場を混乱させた、サブプライムショックです。サブプライムショックは、2007年8月に発生した出来事で、一時株価が大きく下落したことで、多くの投資家が損失を受けました。

この大惨事の発端になったのが、アメリカ市場で住宅ローンを提供していた業者の ABCP です。この業者は住宅ローンを担保にしてコマーシャルペーパーを発行し、投資家から資金を調達していました。しかし、この時のアメリカは住宅バブルの真っ只中で、返済能力の低い個人にまで住宅ローンの提供を行っていたのが問題になったのです。

最初の数年は利子だけの返済を許し、金利も低めに設定するなど、かなり無理な設定で融資を行っていたものの、2005年頃から住宅バブルが崩壊し始め、ローン返済が困難になる個人が続出し、回収が難しくなり、経営破綻が相次いだのを受けて ABCP の担保の価値が下がり始めます。価値が下がった ABCP を購入しようとする投資家がすっかり減ってしまったことから、資金調達が困難になった ABCP の発行業者が、次々と破綻に追い込まれました。

その後、アメリカの連邦準備制度(FRS)がこの問題に対応するために、銀行のバックアップ体制のもとで ABCP を発行する流れに変化し、現在に至っています。

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