CROとは、Contract Research Organizationを略したものになり、日本の言葉では「開発業務受託機関」と言い、製薬会社が研究や開発のために行う治験、臨床を代行する企業のことを指します。
CROは、欧米で需要とサービスが高く、日本でも1997年に認知されました。
今ではインターネットで治験参加の募集が当たり前となってきて、欧米でのCROの委託率は5割前後と言われていますが、まだ日本では2~3割程度となっています。ですが、年々、CROの取扱額は増加していっているので、今後、日本でもCROの需要は高くなっていくと思われます。
CROの業務内容としては、モニタリング、試験の企画支援、データーマネジメントと、臨床に関することのほとんどを受け持っています。
モニタリングは、医療機関の医師の元に行き、企画内容の説明を行い、試験の進み具合を確認などを行います。そして、調査表を依頼し回収してデータを詳しく調べます。試験の企画支援は、サンプルを決めたり、調査表や解析方法などを決めて企画を立てて、スムーズに臨床試験が行われるようにサポートを行っています。データマネジメントは臨床試験で集められたデータを詳しく調べて集計します。
また、回収した報告書のデータ入力を行いチェックすることも行われています。その他にも、臨床試験に行うための申告書や手続きの書類を作成しています。臨床試験で行われた結果を分析し、薬としての効果、今販売されている薬よりも効果があるかの解析も業務として行っています。
日本におけるCRO企業は、東京と大阪などの首都圏に集まっていて、働いている男女の比率としてはほぼ同数です。
CROの主な企業名は、シミック株式会社、イーピーエス株式会社、パレクセル・インターナショナル株式会社、クインタイルズ・トランスナショナルジャパン株式会社となっており、CROに勤務する社員の年収は400万円~1200万円で平均年収は600万円程度となっています。
CROと似ている組織として、SMO(Site Management Organization)があります。日本語では「治験施設支援機関」となり、CROと同様に治験や臨床開発を支援する組織となります。
CROは医薬品メーカーから依頼があり、医薬品メーカーの立場で業務を行います。SMOは医療機関からの依頼となり、医療機関での業務となる点で異なります。