DYM社、GoogleからDMCA不正認定される

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DYM社、GoogleからDMCA不正認定されるDYM社はタイのホアヒンのビーチで社員一同が全裸で騒ぐという問題を起こし、マスメディア・ネットなどで大バッシングを受けました。その結果、大量の悪評がネット上に拡散してしまった訳です。

これに対し、DYM社は「DMCA手続き」を利用して、会社ロゴ、サイトのキャプチャー、プレスリリースを「無断引用」したとして、自社にとって都合の悪いコンテンツを Googleへ削除申請していました。つまり、DYM社は自社への誹謗中傷・風評被害対策として「DMCA手続き」を悪用したことになります。

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ここで「DMCA手続き」について補足しておきましょう。
米国にDMCA(デジタルミレニアム著作権法)という法律があり、このDMCAに違反とされたコンテンツに対して、Googleは検索結果からの削除対応を行っています。簡単に言うと勝手に画像を転載するなど他人の著作権を侵害していることが確認された場合、そのページを検索結果から削除するわけです。

本来、無断転載などの防止の観点から利用される「DMCA手続き」ですが、これを使って自社にとって不都合なサイトのインデックス情報を削除する輩が後を絶たないようで、DMCA手続きについて、Googleでは透明性確保のために公開しています。
ちなみに DYM社が申請した DMCA手続きはこんな感じでした。

DYMのDMCA不正使用
この手続き内容を見ると、ブログやまとめサイトなど DYM社にとって不都合な28のコンテンツについて、4/14,15で削除申請を行っていたことがバレてしまったわけです。

DYM社のDMCA手続きが正当な申請であれば、訴えが認められて、検索結果から当該コンテンツが削除されるわけですが、実はこの28件の DMCA手続きの全てが却下されてしまいました。その際、Googleが DYM社による DMCA手続きを却下した理由も開示されています。

DYMのDMCA不正使用

Google では、この団体(DYM社のこと)は手続きを不正使用したなりすましユーザーまたは第三者によって送信されたものと考えています。完全を期すため、DMCA 手続きの不正使用の 1 つとして考え、ここで報告します。

と書かれていますので、Googleは DYM社が DMCA手続きを不正使用した と見なしているようです。

不特定多数に向けたプレスリリースの引用を DMCA手続きで申請するのはいささか無理が過ぎると思っていましたので、Googleによる DMCA手続き却下は当然だと思います。

DYM社は DMCA手続きというルールを「不正使用」したために、自社による自演工作が申請内容の公表により白日の下にさらされてしまいました。DYM社は今後「DMCA手続き」という武器を失っただけでなく、不都合なサイトの隠ぺい工作という企業コンプライアンス上、非常にまずいミス を犯してしまいました。

今後、DYM社自身が起こしたスキャンダルに対して謝罪をする一方で隠ぺい工作を重ねていたことにより、さらに世論から叩かれることでしょう。DYM社は自業自得と言えばそれまでですが、今回の例は、なまじ誹謗中傷・風評被害対策の手法を知っていたが為に、より会社のブランドを棄損してしまった代表例になりそうです。