九変の利に通ずる者は、兵を用うるを知る|孫子の兵法

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九変の利に通ずる者は、兵を用うるを知る|孫子の兵法

九変の利に通ずる者は、兵を用うるを知る

「孫子」は、二千数百年前の弱肉強食の時代に生きた孫武が書いた兵法書です。

その中から、今回は孫子にある「九変の利に通ずる者は、兵を用うるを知る」という言葉を見てみることにしましょう。

将、九変の利に通ずる者は、兵を用うるを知る。
将、九変の利に通ぜざる者は、地形を知ると雖も、地の利を得ること能わず。
兵を治めて九変の術を知らざれば、五利を知ると雖も、人の用を得ること能わず。

が「九変の利に通ずる者は、兵を用うるを知る」のくだりですが、現代語訳にすると、

孫子は言うには、臨機応変の対応をよく知っている将軍こそが、用兵の資格がある。将軍とはいえ、この臨機応変に対応できなければ、戦場の地形を知っていても、その地の利を活かすことはできない。軍を統率しながらも、臨機応変の対応ができないようでは、五つの地の利を理解していたとしても、兵を十分に働かせることができない。

という意味になります。ここでは、「九変の利に通ずる」とは「臨機応変の対応ができる」と訳しました。

九変の利に通ずる者は、兵を用うるを知る」という言葉で、孫子は原則と応用について伝えようとしています。確かに原則は非常に重要ですが、周囲の状況によってとるべき対策は変わってきます。原理原則で凝り固まった判断しかできないようでは、指揮官としては不足があります。原則は原則として理解した上で、目の前で起きていること、周囲の状況を勘案し、臨機応変に対処することは現代もビジネスシーンでも重要と言えるでしょう。

臨機応変の対応は、その人の資質によるところも大きいのですが、様々な経験をし、あるいは様々な経験談を聞くことから学んでいくこともできます。その意味では、職場で起きたあらゆる問題とその解決法について、多くの人が共有できる仕組みを作ることも組織としては重要だと思います。

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