「韓国、ソウル市日本人女児強姦事件に判決 一転無罪へ」というニュース記事が、SNSを中心に拡散しました。韓国のソウル市で日本人女児が韓国人に強姦された“事件”が起き、犯行の証拠があったにもかかわらず無罪判決が出た、という内容で目にした方もいらっしゃるかもしれません。
その前後で、“慰安婦像”が日韓合意に反して釜山の日本総領事館前に設置されたり、盗難によって韓国に持ち去られた対馬の仏像の所有権が韓国の寺にあるという判決が出されたりしたこともあり、いかにも今の韓国で起こりうる反日事案ということで、フェイスブックやツイッターなどのSNS上を中心に急速に拡散していきました。
しかし、この「韓国、ソウル市日本人女児強姦事件に判決 一転無罪へ」というニュース記事は、人々を“釣って”アクセスを集め、収入を得ようとしたデマ記事であることが判明しました。
今回は、この「韓国、ソウル市日本人女児強姦事件に判決 一転無罪へ」という偽のニュース記事の件で、フェイスブックやツイッターなどのSNSについての問題点を考えてみたいと思います。
フェイスブックやツイッターなどのSNSは便利なツールで、利用している方も多いと思います。
コミュニケーションツールとしてのSNSの利便性について異論はありませんが、SNSには大きく2つの問題点があると感じています。
まず、問題点の1つは「裸の王様になる」危険性です。
SNSは友達つながりのネットワークの為、比較的嗜好や思想が似た人の集まりがちで、SNSのタイムラインに流れる情報も自分の考えに近い偏った内容になりがちです。
その結果、自分が持つ思想信条に近い考え方が世の中の主流であると勘違いをしてしまい、徐々に考え方が先鋭化していくケースが見られます。
2つ目の問題点は「デマに釣られる」危険性です。
そもそもインターネット上には、情報の出し手の意図が入った様々な恣意的な情報が入り乱れています。
フェイスブックやツイッターなどのSNSについても同様で、知り合いとコミュニケーションを取っていきたい人ばかりではなく、バイラルマーケティングを仕掛けようとするものもいれば、デマを流して人々を“釣る”ことでサイトアクセスを集めて収入を得ようとするものもいます。
もちろんデマを流して、人々を“釣ろう”とした人が悪いのは当然ですが、デマに踊らされることでデマを拡散するわけですから、デマに“釣られた”個人の責任もないわけではありません。
さらに、個人名を出しているフェイスブックなどのSNSでは、誤った情報や先鋭化した情報を拡散してしまうと、自らの交友範囲を狭めることにもなりかねません。
SNSやネット上の情報は正しいわけではないという認識を持つこと、情報のソース(元ネタ)を確認する癖をつけること、を守ることで、自身の意図に反して誤った情報を拡散する可能性を下げることができます。
目の前の情報を鵜呑みにせず、SNSやネット上の情報に釣られないようにしていきましょう。