ノンリコースローンとは
ノンリコースローンとは、非遡及融資とも呼ばれ、借り入れた資金を返済することができなくなってしまった場合、担保を処分することによって、その担保の金額が借り入れの金額に及ばなくても、残債についての支払い義務を免れることができるローンのことです。
ノンリコースローンでは、債務者にとっては、担保以上の責任を負わずにすむメリットがある反面、銀行などの債権者側は、返済は事業からの収益だけに限定されるなど、リコースローンよりもリスクを抱えることになるため、通常、融資に対する審査が厳しくなり、リスク分を考えて高めの金利が掛かることが一般的です。
例えば、リコースローンでは、高額な借入を行うときには通常担保をつけ、借入に対する返済ができなくなっった場合に、その担保が競売などで売却されしてもなお、借入の返済ができない場合、その残債は借り手に遡及されて支払いを続けなければならないことになっています。
日本における住宅ローンは、このリコースローンとなっている場合がほとんどで、住宅ローンを支払い続けることができなくなり、競売などで不動産を売却し、その売却代金が借入金額に満たず残債が出てしまった場合でも、支払い義務を免れることはできないことになっています。
ノンリコースローンは、本来、事業としての家賃収入などの収益がある資産への融資に用いられます。
例えば、不動産に対してノンリコースローンでの融資をおこなった場合には、債権者が賠償または償還を求めることできる範囲は賃貸収入や不動産の売却代金などに限定され、債務者の持つ、その他の資産からは回収ができないことになっています。
日本においては、資産流動化市場の発展に伴い、ノンリコースローンがひとつの資金調達方法として活用されるようになってきていますが、融資する側としては、融資金額を回収できるかどうかのリスクが高くなるため、事業の収益性などのビジネスプランがしっかりと確立されているかどうかを見極める高度な判断力が必要となります。