「辞世の句」とは、人が死の間際に詠む漢詩・和歌・俳句などのことです。自分の人生を振り返り、この世に最後に残す言葉として、様々な教訓を私たちに与えてくれるといって良いでしょう。
古来より数えきれない辞世の句が残されてきましたが、今回は、伊達政宗の最後の言葉として伊達政宗の辞世の句を紹介してみることにします。
目次
伊達政宗の最後
伊達政宗は、独眼竜で知られる東北地方に覇を唱えた戦国大名です。仙台城並びに仙台城下を建設して仙台藩62万石を作り、現在の仙台市の礎を築き上げました。伊達政宗は自身の健康に気遣ったことでも知られ、当時としては長寿といえる68歳で病没(一説には食道がん)しました。1636年6月27日のことでした。
そんな伊達政宗の辞世の句と言われているのが以下の句です。
伊達政宗 辞世の句
「曇りなき 心の月を 先立てて 浮世の闇を 照らしてぞ行く」
現代文に訳すなら、「先のわからないこの世だが、夜に月の光を頼りに道を進むように、自分が信じた道を頼りにただひたすら歩いてきた。」といったところでしょうか。
伊達政宗は詩歌の才に優れていたと言われており、晩年に残した漢詩も紹介してみることにしましょう。
「馬上少年過 世平白髪多 残躯天所赦 不楽是如何」
現代文に訳すと、「若い頃は馬に乗って戦場を駆け抜けたが、太平の世になり白髪が増えた。まだ天から与えられた寿命が残っているが、楽しいとは思えないのはどうしたことなのだろうか。」と読めます。
伊達政宗が死を前にした時、彼の頭の中を去来したのはなんだったのでしょう。この伊達政宗の最後の言葉である辞世の句は、皆さんの心にどう響きましたか?
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