小池百合子 支持率低下とその敗因

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小池百合子 支持率低下とその敗因

小池百合子氏の支持率低下の推移

小池百合子氏と率いる希望の党の支持率低下が止まりません。以下の表は、報道ベンチャーのJX通信社が行なった東京都内の世論調査ですが、国政進出からわずか3週間で支持率が41%低下、不支持率が69%増えて、支持不支持がほぼ入れ替わるという状況になっています。

小池百合子氏の支持率調査

調査実施日 支持率 不支持率
9/23〜24 58% 35%
9/30〜10/1 48% 43%
10/7〜8 37% 54%
10/14〜15 34% 59%

  
ということで、今回は小池百合子氏の支持率低下がなぜ起きたのか、小池百合子氏&希望の党の敗因を考えてみたいと思います。

小池百合子氏の敗因

早速、思いつく範囲で小池百合子氏の敗因を挙げてみましょう。

1. 希望の党 結党時のゴタゴタ

2. 右派からどこへ?

3. 希望の党 ≒ 民進党

4. 希望の党の“独裁体制”

5. 実現性の薄そうな公約

6. 都政を放置して衆院選の応援

7. 「モリカケ」他党批判

小池百合子氏の敗因は、ざっとこんな感じではないかと思います。

これまでの小池百合子氏の政治信条から考えると、自民党よりも右寄りの改憲勢力として保守層の受け皿を作るのかと思いきや、蓋を開けてみると民進党の顔ぶればかりで、希望の党は「第二民進党」「選挙のための政党」「民進党の議員が生き残るための政党」のようになってしまいました。この時点で「あれっ?」と思った方も多いのではないでしょうか?

さらに、希望の党の役員は党首の小池百合子氏しかいない状況で、衆院選の段階では幹事長などの三役が存在していません。これでは、まるで小池百合子氏の“私党”のようにしか見えず、政党のガバナンスを期待できそうにありません。

さらに「花粉症ゼロ」に代表されるいかにも実現性が低そうで予算のあてもなさそうな「ユリノミクス」を打ち出したことで、かつての民主党のマニュフェストとその結末を思い出させてしまったのは、明らかな失敗と言えるでしょう。保守層の受け皿として、実現可能な現実的な政策を打ち出すべきでした。

そして、小池百合子氏の人気低下を決定付けたのが「都政の放置」です。小池百合子氏自らが火を付けた「築地市場の豊洲移転問題」や「東京オリンピック」など、今やらなければならない重要課題が山積している中で、都政を停滞させるかのように日々希望の党の応援演説に出かけている姿を心良く見ている都民は少ないはずです。

こうして、都民の支持を急速に失っていった小池百合子氏ですが、焦ったのか、さらに自民党に対しての批判を展開してしまいます。愚直に政策で訴えれば、まだ浮上の目もあったかもしれませんが、国民も飽き飽きしている陳腐な「モリカケ」批判など、かつて民進党が支持率を低下させてきたような政権批判をしてしまったのでは保守層の受け皿にもなれない訳で、無党派層の一部にしか理解を得られない「悪手」の選挙戦略を選んだと言えます。

小池百合子氏の今後

小池百合子氏の今後ですが、都知事としても、希望の党の代表としても、非常に厳しくなっていくでしょう。

都政の方は、3割程度の支持率の逆風の中「築地市場の豊洲移転問題」や「東京オリンピック」などの重要懸案を処理していく必要がありますし、国政の方は、元民進党議員の離反に悩まされることになりそうです。

一時は、女性初の首相候補として期待された小池百合子氏ですが、今回の希望の党の立ち上げと国政進出の失敗によって、その夢は絶たれたように思われます。