恒産なくして恒心あり

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恒産なくして恒心あり

恒産なくして恒心あり(こうさんなくしてこうしんあり)

古来より、人は自らの教訓を言葉で残し、古人の知恵や経験を「故事成語・ことわざ」として現代に伝えてきました。

その中から、時を超えて、人生に様々な示唆を与えてくれる「故事成語・ことわざ」を独断と偏見で選んでみました。きっとビジネスだけでなく、人生においても参考になるでしょう。

今回選んだのは、

恒産なくして恒心あり(こうさんなくしてこうしんあり)

という中国の有名な古書「孟子」が出典の故事成語です。

「恒産なくして恒心あり(こうさんなくしてこうしんあり)」とは

「恒産なくして恒心あり(こうさんなくしてこうしんあり)」とは、
「定まった財産や職業がなければ、正しい心を持つことができない」という意味の言葉です。

では、出典となった「孟子」の一節を見てみましょう。

孟子曰く、
恒産無くして恒心有る者は、惟だ士のみ能くするを為す。
民のごときは則ち恒産無ければ、因りて恒心無し。
苟しくも恒心無ければ、放辟邪侈、為さざる無きのみ。

とあり、現代文に訳すなら、

孟子が言った。
安定した収入がなくても常に正しい心を持つことは、学問教養のある人だけができる。
庶民は安定した収入がなければ、正しい心を持つことはない。
正しい心がなければ、皆、勝手気ままでしたい放題のことをするだろう。

といった感じになります。

「恒産なくして恒心あり」を現代の会社経営で考えるなら、安定した待遇で雇用しない会社は、優れた人材を生み出すことができないということになるでしょう。

社員に対する不平不満を口にする経営者をたまに見かけますが、自らが社員のロイヤルティを高めるような雇用条件を提供しているのかと聞きたくなることもあります。皆さんの会社は「恒産なくして恒心あり」を意識していますか?

 

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