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槿花一朝の夢(きんかいっちょうのゆめ)
古来より、人は自らの教訓を言葉で残し、古人の知恵や経験を「故事成語・ことわざ」として現代に伝えてきました。
その中から、時を超えて、人生に様々な示唆を与えてくれる「故事成語・ことわざ」を独断と偏見で選んでみました。きっとビジネスだけでなく、人生においても参考になるでしょう。
今回選んだのは、
槿花一朝の夢(きんかいっちょうのゆめ)
という中国 唐代の有名な詩人 白居易の「放言五首」が出典の故事成語です。
「槿花一朝の夢(きんかいっちょうのゆめ)」とは
「槿花一朝の夢(きんかいっちょうのゆめ)」とは、
「人の世の栄華は長く続かず、はかない」ことを指します。
ちなみに出典となった「放言五首」の一節を見てみると、
泰山不要欺毫末 顔子無心羨老彭
松樹千年終是朽 槿花一日自為栄
何須戀世常憂死 亦莫嫌身漫厭生
生去死来都是幻 幻人哀楽繋何情
松樹千年終是朽 槿花一日自為栄
何須戀世常憂死 亦莫嫌身漫厭生
生去死来都是幻 幻人哀楽繋何情
となりますが、現代文に訳すなら、
泰山は、些細なものであっても適当に扱ったりはしない。孔子の高弟である顔回は夭折したが、長寿を保った仙人 彭祖を羨むことはない。松の寿命は千年というが、いつか朽ち果ててしまう。それに対し、ムクゲの花はたった一日の命だが、立派に咲いて全うする。どうして、生きることに執着し、死を怖れるのか。また、自分を無用なものと思って、生きていることを厭うのか。繰り返す生死はすべては幻にすぎない。幻に生き、幻に死ぬ人間にとって、喜びや悲しみはどんな感情だと思うべきなのだろう。
といった感じになります。
人生には必ず波があり、人は調子が良い時には、えてして自分一人の手柄のように思って思い上がった言動をしてしまいがちですが、いつまでも調子の良い時期は続きません。良い時期の振る舞い方、あるいは悪い時期の振る舞い方が、次の転機での没落・飛躍を左右することを忘れず、謙虚さを身につけるようにしなければなりません。