空樽は音が高い
古来より、人は自らの教訓を言葉で残し、古人の知恵や経験を「故事成語・ことわざ」として現代に伝えてきました。
その中から、時を超えて、人生に様々な示唆を与えてくれる「故事成語・ことわざ」を独断と偏見で選んでみました。きっとビジネスだけでなく、人生においても参考になるでしょう。
今回選んだのは、
「空樽は音が高い」
ということわざです。
「空樽は音が高い」とは
「空樽は音が高い」とは、
「空の樽は叩くと高い音を立てるように、中身がなくて浅薄な人ほど、知りもしないことをよくしゃべる」というたとえです。
経営者の集まりに時々出席しますが、起業から間がない人ほどよくしゃべる傾向があります。もちろん、傾聴に値する深い内容を話す方もいらっしゃいますが、抽象的で中身が薄い話を延々とする方が多いのも事実です。
自分自身を振り返っても、起業当初はよくしゃべっていたように思います。本人としては、熱っぽく語っていたつもりだったのですが、実際は「空樽は音が高い」状態だったのだと思います。
しかし、次第に経験を積んで本質が見えてくると軽々しく話ができないことが出てきますし、抽象的な話や又聞きの話自体には大きな意味がないことに気付いてきます。そして、知ったかぶりで人に話すことがどれほど信用を失わせるか、にも気付いてきます。
今振り返ってみると、当時の自分は恥ずかしい限りですが、知ったかぶりをして饒舌に話すことで得られる“信用”はたかがしれています。自らの経験値を高めていくことで信用を得ていきたいものです。