「辞世の句」とは、人が死の間際に詠む漢詩・和歌・俳句などのことです。自分の人生を振り返り、この世に最後に残す言葉として、様々な教訓を私たちに与えてくれるといって良いでしょう。
古来より数えきれない辞世の句が残されてきましたが、今回は、良寛の最後の言葉として、良寛の辞世の句を紹介してみることにします。
良寛の最後
良寛は、江戸時代後期に生きた僧で、書家・歌人です。越後国(現在の新潟県)の名主の家に生まれた良寛でしたが、若くして出家して修行した後に越後国へ戻り、庶民に仏法を説くかたわら、1831年2月18日に亡くなるまで書と和歌に打ち込みました。享年72歳でした。
そんな良寛の辞世の句と言われているのが以下の句です。
良寛 辞世の句
「散る桜 残る桜も 散る桜」
この歌を現代文に訳すなら、
散る桜もある中で、今美しく咲いている桜もいずれ散ってしまうように、消えそうなこの命が長らえたとしても、いずれ散ってしまうだろう。
といったところでしょうか。
死を前にした時、彼の頭の中を去来したのはなんだったのでしょう。この良寛の最後の言葉である辞世の句は、皆さんの心にどう響きましたか?