雇用・能力開発機構とは?

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雇用・能力開発機構とは?雇用・能力開発機構は厚生労働省所轄の独立法人でしたが、2011年10月に「独立行政法人雇用・能力開発機構法を廃止する法律」によって廃止されました。現在では、主な業務、施設は独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構に移管され、一部は国や都道府県労働局、独立行政法人勤労者退職金共済機構に移管されています。

雇用・能力開発機構とはどのような業務を行っていたのでしょう?

雇用保険法で定められた雇用保険二事業を行い、主に能力開発、雇用開発、勤労者財産形成促進に関する業務になります。ほかにも、離職者訓練や職業訓練、人材の能力向上のための助成金の支給、相談を行っていました。

能力開発では、公共職業能力開発施設や総合大学校の設置から運営、事業主が行う訓練の援助、キャリアコンサルティング等です。また、ほかの業務では、雇用管理に関する相談や中小企業の雇用、人材確保等なための助成金の支給や相談も行われていました。勤労者財産形成促進業務というと難しく感じますが、いわゆる「財形貯蓄」のことです。会社の勤労者が貯蓄したり、持ち家を取得するのに税制上の援助を行う公的な融資です。財形教育融資制度を除いて、この機構が廃止されると勤労者退職金共済機構へ移管、承継されています。財形教育融資制度はこの時点で廃止されました。

移管、承継される前の一般事業主に対する助成金は、人材確保や雇用管理のために支援するものです。

中小企業基盤人材確保助成金、キャリア形成促進助成金、中小企業雇用創出等能力開発助成金、中小企業人材確保推進事業助成金があります。これらに上限はありますが、要件を満たし申請すると助成金が支給されます。

また、建設関係の事業主に対しての助成金もあります。建設教育訓練助成金、建設行人材育成支援・経費助成、建設雇用改善推進助成等です。

また、技能者育成資金融資制度という制度があり、機構が廃止された2011年から厚生労働省により創設されました。労働金庫から有利子、無担保で一定限度額まで融資を受けることができます。この制度は「奨学金」のことです。融資を受ける対象者は要件を満たさなければいけません。融資の要件はいくつかありますが、普通課程、専門課程と訓練生によって融資の上限が異なります。融資利率は年利3%、返済は10年間が限度とされています。奨学金にも種類があり、留学のためのものや、国費で実施されているものから、地方自治体で実施されているものまで多様です。