「辞世の句」とは、人が死の間際に詠む漢詩・和歌・俳句などのことです。自分の人生を振り返り、この世に最後に残す言葉として、様々な教訓を私たちに与えてくれるといって良いでしょう。
古来より数えきれない辞世の句が残されてきましたが、今回は、蒲生氏郷の最後の言葉として、蒲生氏郷の辞世の句を紹介してみることにします。
蒲生氏郷の最後
蒲生氏郷は、織田信長・豊臣秀吉に仕えた武将で、家臣を大切にした人物としても知られています。数々の戦いで武功を挙げ、陸奥国会津 91万石の大藩を任された蒲生氏郷ですが、1592年2月7日に病死しました。享年は40歳前後と言われています。
そんな蒲生氏郷の辞世の句と言われているのが以下の句(短歌)です。
蒲生氏郷 辞世の句
「限りあれば 吹かねど花は 散るものを 心短き 春の山風」
この歌を現代文に訳すなら、
風が吹かなくとも花は時間が経てば散ってしまうのに、春の山嵐はなぜ短気にも花を散らせてしまうのか
といったところでしょうか。
死を前にした時、彼の頭の中を去来したのはなんだったのでしょう。この蒲生氏郷の最後の言葉である辞世の句は、皆さんの心にどう響きましたか?