弘法も筆の誤り
古来より、人は自らの教訓を言葉で残し、古人の知恵や経験を「故事成語・ことわざ」として現代に伝えてきました。
その中から、時を超えて、人生に様々な示唆を与えてくれる「故事成語・ことわざ」を独断と偏見で選んでみました。きっとビジネスだけでなく、人生においても参考になるでしょう。
今回選んだのは、
「弘法も筆の誤り」
ということわざです。
「弘法も筆の誤り」とは
「弘法も筆の誤り」とは、
弘法大師のような書の達人でも書き損じをするというたとえから「どんなに優れた人であっても、時には失敗することもある」という意味で使われます。
よく似た言葉で「弘法にも筆の誤り」もありますが、「弘法にも筆の誤り」も「弘法も筆の誤り」も同じ意味で、どちらも正しい言い方です。元々「弘法にも筆の誤り」が正しい表記でしたが、「弘法も筆の誤り」も使われるようになってきたと覚えておくと良いでしょう。
「弘法も筆の誤り」と言えば、どんなに優れた人であっても、必ず失敗するものです。その意味では、失敗しない前提で動くのではなく、失敗してもその失敗をカバーできる体制や仕組みを作って置くことが重要です。
例えば「フェイルセーフ」という言葉があります。「フェイルセーフ」とは、機器やシステムで誤操作・誤動作による障害が発生した場合、常に安全となるように制御する設計のことですが、この「フェイルセーフ」機能も、機器やシステムは必ず故障するものだという前提から作られています。
物事には100%とか、確実ということはありません。信頼できる人や機器であっても、万一の時を考えたバックアップ体制を用意しておくことは、特に中小企業で求められることと言えるでしょう。