目次
仮道伐虢(かどうばつかく)〜 兵法三十六計
兵法三十六計とは、中国の三国時代以降に生まれた兵法書で、宋の名将 檀道済がまとめたと言われています。
そして「兵法三十六計」に書かれた故事や教訓は、単なる兵法ではなく処世術としても活用され、広く知られるようになっています。そういった意味では「兵法三十六計」を知ることで、現代の人たちにとっても人生の参考になるのではないでしょうか。
今回選んだのは、兵法三十六計の第二十四計
「仮道伐虢(かどうばつかく)」
です。
「仮道伐虢(かどうばつかく)」とは
「仮道伐虢(かどうばつかく)」とは、
「自分より弱い相手を分断して各個撃破する」計略のことです。
「仮道伐虢」の話
中国の春秋時代のこと、晋に接する虞と虢(かく)という2つの小国がありました。晋は、虞と虢を併呑しようと考え、まず虞を治める虞公に名馬や宝物を送って味方に引き入れ、虢を討伐する際に虞の領土内の道を通る許可を得ることに成功しました。
そして、まんまと虢を滅ぼした晋は虞を攻めて一気に滅ぼしてしまったのです。
この故事から生まれた言葉が「唇亡びて歯寒し」です。
【関連記事:唇亡びて歯寒し】
「仮道伐虢」では、小国であった虞と虢は表裏一体のもので、どちらか一方が欠けてしまうと残った一方も存在が危うくなってしまうことを示しています。
中小企業は、上の例で言うなら、虞と虢のような存在です。大企業と安易に手を結ぶのではなく、自らの存在意義を大切にしつつ、中小企業同士のアライアンスによって自立する道を考えてみるのも必要と言えるでしょう。