一念発起(いちねんほっき)
古来より、人は自らの教訓を言葉で残し、古人の知恵や経験を「故事成語・ことわざ」として現代に伝えてきました。
その中から、時を超えて、人生に様々な示唆を与えてくれる「故事成語・ことわざ」を独断と偏見で選んでみました。きっとビジネスだけでなく、人生においても参考になるでしょう。
今回選んだのは、
一念発起(いちねんほっき)
という鎌倉時代に書かれた仏教書「歎異抄」が出典の故事成語です。
「一念発起(いちねんほっき)」とは
「一念発起(いちねんほっき)」とは、
「あることを成し遂げようと強く心に誓う」という意味です。
では、出典となった「歎異抄」の一節を見てみましょう。
弥陀の光明に照らされまいらするゆえに、一念発起するとき金剛の信心を賜りぬれば、すでに定聚の位におさめしめたまいて、命終すれば、諸の煩悩悪障を転じて、無生忍をさとらしめたまうなり。
とあり、現代文に訳すなら、
私たちは阿弥陀仏の光明に照らされて、本願を信じる心が初めて起こるときに、決して壊れない信心をいただくのだから、その時すでに阿弥陀仏は、この身を正定聚の位につかせてくださり、この世の命を終えれば、さまざまな煩悩や罪悪を転じて真実のさとりを開かせてくださるのである。
といった感じになります。
「一念発起」の一節に限らず、仏教書に書かれている内容は奥が深く難しいですね。
人生において自分を変えたいと思うことは何度かあります。ほとんどの場合、結局何もせず諦めてしまうわけですが、一度しかない人生です。是非「一念発起」して、新しいことにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。