週刊新潮に「政治とカネ」のスキャンダルをスクープされた民進党の政調会長 山尾志桜里氏が、事件発覚後一週間経ってようやく釈明・謝罪会見を開きました。
【関連記事:今度は山尾志桜里氏に不倫スキャンダル】
私は経営者の端くれですので、今回の一件は、
山尾志桜里議員について「会社に例えるなら会社自体のスキャンダル」
民進党について「会社に例えるなら社員や幹部のスキャンダル」
といった2つの側面で個人的に注目していました。
スキャンダルの対応としては「素早く謝罪会見を開く」ことが最も重要ですが、事件発覚後一週間も掛かってしまいました。
一般的に謝罪会見では、
- まず謝罪する
- 真相を嘘なく正直に伝える
- 責任がトップにあることを明言する
- トップを含めスキャンダルに関与した人間が、世間的に妥当と思える以上の責任を取る
- 一度の謝罪会見で上記のポイントを全て伝える
ことが非常に重要です。
では、スキャンダル発覚から一週間のタイミングとなる4/6に行われた山尾志桜里議員の謝罪会見を見てみましょう。
謝罪会見の要点をまとめると、
- 紹介を受けた元公設秘書が不適切な会計処理をしていた疑いが強い
- 当該の元公設秘書からまだ話を聞けていない
- 当該の元公設秘書に法的措置を検討している
- 私(山尾志桜里議員)の監督が至らず申し訳なく思っている。国会議員として、政調会長として国民の期待に応えられるように精いっぱい努力していく
といった内容だったように思います。
「自分が選んだわけではない秘書が、本人からの事情を聞いていないが多分不適切な会計処理を行っていて、自分自身の監督責任はあるのでその点は謝罪するが、国会議員として民進党の政調会長として今後も頑張っていく」といった内容ですので、「政治とカネ」にまつわる謝罪会見としては 完全に落第点 と言って良いでしょう。
民進党の岡田代表は、山尾志桜里議員の謝罪会見を受けて「(政治資金問題について)相当きちんと答えた」と言ったそうです。
民進党自体も 完全に落第点 です。
スキャンダル発覚後、一日も早く謝罪会見をするよう働きかけなかったばかりか、「政治とカネ」のスキャンダルについて説明責任を果たしていない段階で山尾志桜里議員を国会質問に立たせ、与党を追求するという致命的なミスをしてしまいました。民進党にはきっと良きブレーンがいないのでしょうが、誰が見ても「人のことを言う前にあなたはどうなの?」と言いたくなります。
「人には厳しく自分に甘い」ダブルスタンダードを持つ人物や組織は政治でもビジネスでも信頼されません。だからこそ、スキャンダルが起こった場合の説明責任は非常に重要なのです。会社のスキャンダルはいつ起こるかわかりません。経営者は、今回の山尾志桜里議員と民進党のスキャンダル対応を他山の石としていくべきだと思います。