みなし残業制度とは?
みなし残業制度とは、1ヶ月の残業時間数を予め設定しておき、その時間内であれば何時間残業を行ったとしても、設定した時間数の残業をしたとみなす制度のことです。
例えば、みなし残業制度で月40時間の残業と設定した場合、残業時間が0時間であったとしても、43時間であったとしても、40時間残業したとみなします。みなし残業制度では、毎月の給与において固定した残業代を払うことになります。
みなし残業制度は、会社が残業代を必要以上に払わなくても良くなる残業制度の様に思われがちですが、設定する残業時間数によっては会社にとってマイナスになってしまうこともあり得ます。
みなし残業制度の導入条件
みなし残業制度の導入条件としては、まずはみなし残業時間と固定残業代の額を明確に分けて記載する事が必要です。
例えば、契約書に基本給だけが書かれており、残業代は口頭で伝えた場合や、基本給にプラスしてカッコ書きでそこに注釈が書かれている場合などは、正しいみなし残業制度導入の取り扱いとは言えません。
この場合は、みなし残業制度としては無効となってしまい、従業員から残業代の支払を請求されてしまうと、固定残業代の分まで払わなければいけなくなる場合が出てくるので注意が必要です。必ず個別の労働契約にみなし残業時間と、それに対する固定残業代の額を定めて明記しましょう。
また、残業時間はどれだけ設定しても良いわけではなく、36協定によって残業時間は月に45時間までとなっています。
【参考記事:36協定とは?】
その為、基本的には45時間以上のみなし残業時間を設ける事は避けます。45時間以上でも設定する事はできますが、公序良俗に反してみなし残業制度自体が無効とされてしまう事もあるので、45時間までに抑えましょう。
また実際に導入する際には雇用する側は勝手にみなし残業制度を導入しても良いわけではなく、まずは従業員に説明をして書面でも通知します。さらに就業規則に、みなし残業制度について記載することも忘れないようにしましょう。
以上をクリアすることによってみなし残業制度の導入条件を満たしているとみなされ、みなし残業制度を利用した上での会社運営ができ、みなし残業を巡るトラブルを未然に防ぐことができます。
これらの導入に関する条件を満たしていない場合は、みなし残業自体が認められなくなってしまうと言う事例も出ているので注意しましょう。