ADHDとは
ADHDとは「注意欠陥・多動性障害(Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder)」の頭字です。この障害は文部科学省の定義では7歳以前に見られるとされていますが、最近アメリカ精神医学界では12歳に診断年齢が引き上げられました。
ADHDは、子供にも大人にも症状は観察されますが、大人になると精神面での障害が目立ってくるようになります。
ADHDの症状は大きく分類すると、「不注意」「多動性」「衝動性」の3つです。特に子供については、学校で授業に対応できないことが多いので、知能に問題があると見られがちですが、ADHDは知能に問題があるわけではありません。
ADHDの症状
ADHDで一般的に見られる症状を具体的に示すと、子供の場合は特に行動面で他の児童との違いが目立ちます。
- 授業中にも関わらず、席を離れたり、どこかに行ってしまう
- 何か課題を与えられても集中できずに、すぐに気が散ってほかのことに手を出してしまう
- 整理整頓が苦手
- 自分の感情を抑えることができず、衝動的である
- 順番を守ることができず、割り込みなどをしてしまう
- 公共の場所など静かにしていなければならない場所で静かにしていることができない
などの傾向があります。持ち物に対する注意が行き届かず、落とし物や忘れ物が多く、また宿題なども忘れるケースが少なくありません。
先生などから何か指示があっても、守ることができません。たとえば授業中おしゃべりをしていて、「静かにしなさい」といわれてもおしゃべりを続けてしまったり、「廊下を走らないでください」といわれても走ったりなどです。授業に集中できず、ぼーっとしている症状が見られる子もいます。
以上のような症状が大人になると、「時間管理ができない」「仕事上のミスが多い」「好きなことにだけ必要以上に集中してしまう」「職場で思ったことを何も考えずに口に出してしまう」「貧乏揺すりなど無意味な動作をする」などの傾向があり、また計画性がないので仕事の段取りを付けて計画的にこなしていくのが苦手なため、やはり社会生活・職場生活に適応しにくい症状であるといえます。