「肉フェス」食中毒~作られたブームは過ぎるのも早い

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「肉フェス」食中毒~作られたブームは過ぎるのも早いお台場で開催された「肉フェスお台場 2016春」で 49人が食中毒の症状を訴え、江東区保健所から運営会社であるイベント制作・運営会社 AATJ株式会社(所在地:東京都港区南青山)が改善勧告を受けていましたが、ほぼ時を同じく福岡市で開催されていた「肉フェス2016 FUKUOKA春」でも 108人が食中毒の症状を訴え、福岡市からも再発防止を求める勧告書がAATJ株式会社へ交付されるという事態になってしまいました。

AATJ社によると、「肉フェス」は2014年の春に初めて開催されたイベントで、初年度で 70万人を超える動員、さらに「肉フェスTOKYO 2015~春~」では 3会場合わせた動員が 90万人を超えるなど、日本有数のフードイベントになりつつありました。

AATJ株式会社と言えば、電通系のイベント会社ですが、AATJ株式会社の株主でもある電通の全面的なバックアップもあったのでしょう。昨年の「肉フェス」では芸能人やモデルなどの SNSからの投稿を多用して、肉フェス期間中はそれなりの話題になっていたように記憶しています。

SNSのフォロワーを多く抱える人達(インフルエンサー)を通じた大規模なマーケティングとして個人的にも興味を持ってみていたのですが、インフルエンサーを使ったマーケティングは、ステルスマーケティング(通称:ステマ)との境界が曖昧で、「肉フェス」は “作られたブーム” のように感じていたところでした。

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今回の食中毒事件、生の鶏肉を使った寿司が直接の原因とのことですが、保健所からの中止勧告を受けた後も「肉フェス」の開催を最終日まで強行したことを筆頭に、パンフレットに比べて実物がかなり貧相だったこと、商品の料金設定が高額であったことなど「肉フェス」はイベントとして様々な問題を含んでいるように思います。

結果として、当初予定されていた福島でのイベント(「肉フェスツアー2016福島」)、秋田でのイベント(「肉フェスツアー 2016 秋田」)、青森でのイベント(「肉フェスツアー 2016 青森」)の開催が中止に追い込まれてしまいました。

自然発生的に徐々起こったブームであればともかく、人為的に引き起こしたブームであればあるほど、一旦ついたマイナスイメージを払拭することは非常に難しいでしょう。単に今回食中毒を引き起こした店舗の出店を見合わせるだけに留まらず、イベントの参加者目線で運営し、参加者から評価されるイベントへ AATJ社と電通が立ち戻らないと「肉フェス」の今後はないように思います。

実は、今回の「肉フェス」だけのことではなく、いくらマーケティングでブームを作り出し業績を拡大しても、消費者が支払う金額に見合うサービス・商品でなければ、いずれブームは過ぎ去って “メッキ” は剥がれてしまいます。たとえ、時間が掛かったとしても、消費者目線を忘れず、地道にコストパフォーマンスを高める努力を重ねていくことが重要なのではないでしょうか?

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