労働派遣法が制定されてから、ブラック企業 という言葉がささやかれるようになりました。
果たしてブラック企業とはどのようなものなのか考えてみると、労働者側から雇用者(企業)側を指す言葉であり、労働に対して適正な報酬が支払われていないことや、適切な労働環境として雇用が励行されていないなど様々でしょう。
2008年に「ワタミフーズ」に入社した社員が入社後2ヵ月で、労働の過酷さなどを理由に自殺したことで、ワタミフーズがブラック企業として一気にクローズアップされました。
ただ、ブラック企業にはしっかりとした定義が無く、労働者側から見ての見解であり、雇用者側はそのように認識していないことが非常に多いです。
不幸にも亡くなられた社員の方の家族が、損害賠償を求めた裁判を東京地裁に提訴しており、このことを皮切りに、全国の企業で労働条件や環境に関するコンプライアンスが見直されることとなりました。
近年、ブラック企業と言われる会社には共通点 が多く見られます。
ワタミフーズのように、地域密着の老舗企業ではなく、2000年以降伸びた、ベンチャー企業や新興企業に多いと言われます。
ベンチャー企業や新興企業では、事業計画を推進する過程においてしっかりとした計画が立てられているのでしょうが、実際の事業を進める中で様々なイレギュラーが起り、トラブルとなってしまうケースが多いのかもしれません。
雇用者と労働者の関係は、信頼において確立されるもので、社員は経営者を信頼し、経営者は社員を信頼しなければいけません。
労働者としてそこで働くことを希望して、入社した時は全ての社員が期待に胸を膨らませていたはずが、いつの間にか企業をブラックというようになるのは、信頼関係の薄さからなるものだと思います。
従業員からブラック企業と認定されないよう経営者が気を付けることとしては、自社の社員に対する信頼と親しみを持ち、社員による労働力は企業の財産と考えるべきで、現場の声を自ら聞き入れ、生産性の悪い労働環境を改善する策を考えなければいけません。
ちなみに私見ですが、俗にブラック企業と呼ばれる企業の特徴として、社内コミニュケーションが低く、社内で挨拶が出来ていないことが多いように思います。社長であっても、自ら社員に声をかけ、生の声を聴き、コミニュケーションを取ることが大切です。
また、ブラック企業と呼ばれる企業では、管理職が育っていないことが多く、育っていない管理職に現場を任せ切っていることが原因の一つのように思います。
経営者が社員とコミュニケーションをしっかり取り、管理職の育成と経営者も現場に関心を持ち任せ切りにしないことによって「ブラック企業」と呼ばれないようにしたいものです。